天・地・人の創業

「人知」「地理」「天機」が揃って経営力は最大化する

起業する場合に重要なことは時流(「天機」の部分)に乗ることであり、自分の運気(「人知」の部分)がいい時に行動することである。どれくらい重要かというと、「天機」が5割、「人知」が3割ほどの影響を与えるのだ。この「人知」「地理」「天機」のすべてが揃って、初めて起業は成功する。(内田游雲)

無駄な努力をしていないだろうか

もしあなたが起業して、商売で成功したいと思っているのであれば、まず、周りを見渡してみることだ。じつは金というものは、ある場所にはあって、無い場所には、やはり無いものだからだ。

この話は、経営者にとって、つい盲点になりやすいのだが、パリの高級ホテルやアートギャラリー、あるいは、六本木のキャバクラや銀座のクラブには、金の流れが結構ある。そして、地方よりも、東京のほうが金がたくさん流れている。一方、フィリピンや中国の田舎、カンボジアの農村などには、残念ながらほとんど金が流れていない。また、吉野家やマクドナルドやブックオフにもあまり金が流れていない。

そして、あなたが起業して、商売でで成功したければ、なるべく金が溢れる世界に近づいたほうがチャンスが広がる。

既に、起業しているのにあなたの商売が思ったように儲かっていないなら、まずここを一度見直してみたほうがいい。

商売には、もちろんマーケティングやセールスといった知識が重要になるが、それ以上に金が流れている水脈を見つける力のほうが重要になる。金がたくさん流れている場所でビジネスをするだけで、おこぼれがたくさん手に入るものだからだ。

あなたがやっている商売のジャンルには、金がちゃんと流れているだろうか?
水の流れていない川で、どれだけ頑張って努力し勉強して、水を汲もうとしても無駄な努力なのだ。

商売に必要な知識には三つある

商売というものは、3つの段階で考える必要がある。

1つ目が「人知」だ。
これは、人間の本質を理解することである。人間関係や、人の行動の元になる感情、さらには本能的衝動などがここに当たる。中でも重要なのが経営者の持つ運気である。運のいい時に考えつくこと、実行したことは大きな成果になる。一方で運の悪い時は、何をやっても上手くいかないものである。人間の本質を理解し、自分の運気のタイミングを知ることで、最大の効果を得ることができるようになるのだ。

2つ目が「地理」である。
地理とは、地の理(ことわり)のことである。「地」とは現実世界のことで、現実社会の理論を意味している。経営戦略や立地戦略、さらにはマーケティングなどといった、私たちがよく目にする経営に関する知識のほとんどがここに分類される。

そして、3つ目が「天機」だ。
天機とは、目に見えない大きな流れや法則のことである。ほとんどの人が意識していない社会を動かしている原理原則や世の中の流れを知り理解することで、どの流れに乗って進んいったらいいかを考えることである。こうした流れを知り、乗ることで巨大な力の助けを得ることができる。

三つが揃えば経営力が最大化する

そして、この3つの「人知」「地理」「天機」のすべてが揃って、初めて経営力は最大化することになる。

どれだけ、ビジネス書を読んでも、起業セミナーや経営セミナーに参加したとしても、儲からない理由は、こうした世の中に出回っている経営の知識(「地理」の部分)は、商売の成果に2割くらいしか影響しないからである。しかし、残念ながらほとんどの人がこのことを知らない。

商売において重要なことは時流(「天機」の部分)に乗ることであり、自分の運気(「人知」の部分)がいい時に行動することである。どれくらい重要かというと、「天機」が5割、「人知」が3割ほどの影響を与えるのだ。

天・地・人の創業

既に、気づいたかもしれないが、この全体像は「天・地・人」を意味している。天地人(てんちじん)とは、「天」と「地」と「人」のことで、これは全世界を形成するすべての要素ということだ。それは地球上だけにとどまることなく、宇宙に存在する万物すべてという意味である。

気の哲学では、これらを「三才」と表される。つまり、「天・地・人」とは、古来の人の認識において「この宇宙を含む全世界のすべて」という意味なのである。さらに、「天の時、地の利、人の和」で戦略が成功する三条件を示しているものである。

こうした「三才」の知識を組み合わせて「天・地・人」の3方向から経営計画を構築し、できる限り少資本で起業し、失敗しないで儲けを出すことこそが『気の創業塾』の目指すところである。

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