A:『気の経営』とは、現実社会のなかで、世の中に流れている真理や法則を理解して、天機・地理・人知の三つの観点から経営を考えていく経営理論
3つの段階で経営を考える
経営というものは、3つの段階で考える必要があると私は考えている。
それが、「人知」「地理」「天機」の3つの段階だ。「人知」を理解し「地理」を学び「天機」を観る。そうすれば、運を味方につけることができ、さらに失敗しにくい経営ができるようになる。
この世界を構成しているものは三つある。
その三つというのが、「人知」「地理」「天機」の三つだ。
「天機」の影響力が50%前後
1つ目が「天機」だ。この影響は全体の50%強と考えていい。
天機とは、目に見えない大きな流れや法則のことである。ほとんどの人が意識していない社会を動かしている原理原則や世の中の流れを知り理解することで、どの流れに乗って進んいったらいいかを考えることである。こうした流れを知り乗ることで、巨大な力の助けを得ることができる。
まず、この「天機」について知っておくことが経営にとってとても重要なことであり、その影響は5割近くにも及ぶ。だから、まず「天機」を知ること。これが一番最初に経営者ならやるべきことになる。
「地理」の影響力は20%前後
2つ目が「地理」である。この影響力は20%前後だ。
地理とは、地の理(ことわり)のことである。「地」とは現実世界のことで、現実社会の理論を意味している。経営戦略や販売戦略、さらにはマーケティングなどといった、私たちがよく目にする経営に関する知識のほとんどがここに分類される。
ところが、小さな会社の経営者の多くは、経営についての知識をあまり持たずに事業を始めてしまっている。とりあえず、○○をやりたいからという理由で、いきなり商売を始めている場合がとても多いのだ。
では、どうやって経営をしているかというと、これは、直感でやっていたりするわけだ。なんとなく思い付きで施策を打ち、たまたまうまくいけば会社が成長する。こんな経営を行っている経営者がとても多い。
もちろん、勘というのも、経営者の重要な資質の一つではある。しかし、その勘を支える論理的な思考は必ず必要になる。経営を論理的に考えた上で、その問題の解決策を考え出し、最後に勘を働かせて決断をする。つまり、勘を働かすためには、その判断の基になる経営理論やマーケティング知識が重要になる。
「気の経営」においては、この勘を働かせるために必要な経営の基本ルールや、戦略、そして、マーケティング知識を体系的に学んでもらう。これが「地理」の分野となる。
「人知」の影響力は30%前後
そして、3つ目が「人知」だ。
「人知」というのは、人間個人に焦点を当てた部分である。ビジネスのすべての始まりは、この人間理解が基本にある。なぜなら、人間の行動の基本にそれがあるからだ。
まずは、人間の本質を理解することである。人間関係や、人の行動の元になる感情、さらには本能的衝動などがここに当たる。人の行動は、感情が元になっている。これは、従業員だろうが顧客だろうが同じである。人の行動を理解すれば、どうすれば商品が売れるかが誰でも理解できるようになる。
さらに、「人知」の中でも重要なのが経営者の持つ運気である。運のいい時に考えつくこと、実行したことは大きな成果になる。一方で運の悪い時は、何をやっても上手くいかないものだ。人間の本質を理解し、自分の運気のタイミングを知ることで、最大の効果を得ることができるようになる。
こうしたことも「人知」に含まれる。
このように「気の経営」では、「人知」「地理」「天機」の3つを用いる。