
今の世界は資本主義だが、多くの人は「安定収入」を求めて時間を切り売りし、労働主義に生きている。企業は給料をコストと考え、従業員の収入を抑えようとするため、会社員のままでは豊かになれない。時間給では収入に限界があり、資本主義の恩恵を受けるには「働く側」から「働かせる側」へ転換する必要がある。50歳からでも遅くはない。経験や人脈を活かし、自分で収入の流れを作ることで、安定の幻想から抜け出し、真の自由と豊かさを手に入れよう。(内田游雲)
内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者(特にスモールビジネス)に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めてスモールビジネス経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「運の研究-洩天機-」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)
「安定した収入さえあれば人生は安泰」と信じて突き進んできた人は多い。真面目に学校へ行き、いい成績を取り、一流企業に入社してコツコツ働く。これが最良の道だと教えられてきたからだ。ところが今、その昭和の常識が音を立てて崩れ始めている。いったいなぜなのか。
安定収入を望む落とし穴
最大の理由は、“安定”という名の安心感を得るために、もっと大きな可能性を犠牲にしている点にある。毎月一定額の給料日に心がホッとする。けれど、その給料は自分の時間と引き換えに得ているものだ。それこそが「時間の切り売り」にほかならない。しかも会社から見れば給料はコスト。人件費はできるだけ安く抑えたいのが本音なのである。
ここで思い出したいのが、資本主義の仕組みだ。労働者は、自らの時間と労力を売って収入を得る。一方、資本主義の上に立つ人間は、肉体労働をしなくても利益を手にしている。誰でも時間が有限である以上、その格差が拡大していくのは当然の流れだ。もし「安定収入」にこだわり続ければ、収入の流れを自分でコントロールする機会を逃し、いざというとき逃げ道がなくなるリスクまで抱え込むことになる。
「安定させることで人生を守る」は、一見正しいように見えて、実は落とし穴だらけである。安定を買っているつもりが、大きな収益チャンスや将来の成長の機会を見過ごしているかもしれない。もちろん老後の備えは大切だが、安定を求めることで、本当の自由や豊かさをあきらめてしまうのはもったいない。肩の力を抜いて「安定収入」という鎖を外すきっかけをつかんでほしい。
今の世界は、紛れもなく資本主義なのだが、「安定した収入」を求めて時間を切り売りして労働に生きている多くの人は「資本主義」で生きているのではなく「労働主義」で生きている。誰もが気付いている通り、資本主義の上に立っている人間は肉体労働をしていない。それでいて実際に労働している人よりもはるかに豊かになっている。それは、彼らは労働主義ではなく資本主義で生きているからである。
この言葉を聞いてドキッとしたなら、安定収入の幻想から距離を取る時期が来ているのかもしれない。これまでの常識を疑い、自分の価値をどう高めるか考えることが、これからの「お金の稼ぎ方」を再構築する第一歩になる。
会社員で金持ちになれない訳
会社員がなかなか豊かになれない理由は、報酬の上限が会社側によって決められていることに尽きる。企業から見れば給料はコストであり、基本的には低く抑えたいというのが本音。売上が上がったところで、人件費を青天井に増やすわけにはいかない。だからどれほど頑張っても、従業員の手取りが劇的に伸びる保証はない。
さらに、世の中の収入は、労働という名の時間を売る仕事がほとんどである。時間をお金に交換する働き方では、一日の稼働時間には当然限界がある。朝から晩まで働いても、体力と健康を削り続けるだけで長続きは難しい。結果として収入の天井が早々に見えてしまうのだ。

「会社に属せば安全」という思い込みも曲者だ。今や企業の寿命は驚くほど短くなり、リストラや倒産リスクが日常茶飯事になりつつある。会社員という立場が永久的に安定を保障してくれるかといえば、現実はそう甘くない。言い換えれば、「雇われる側」でいる限り、不測の事態が起きれば即座に収入に影響が出る。
雇われ続ければ、「収入>支出」の原則を大きく拡張しづらい。給料が企業側の言い値で決まっている以上、自分の可能性に限界を設定されているようなものだ。そう考えると、会社員としての安定に縛られるほうが、かえってリスクといっていい。50歳以上の人こそ「自力で稼ぐ」という選択肢を持っておく意味は大きい。
時間給 vs 成果給の分かれ道
「成果給は不安定そう」「固定給が一番だ」と思う人は多い。しかし、成果給には上限がないという大きな魅力がある。自分の成果次第で収入が爆発的に増える可能性を秘めているのだ。一方の時間給は、一時間いくらという固定制。わかりやすいが、時間は1日24時間しかないし、睡眠やプライベートを全部削るわけにもいかない。
この差は決定的だ。時間給で収入を増やそうとすると、どうしても働く時間を増やさなければならない。体力と健康には限界があるので、収入アップに天井ができてしまう。一方、成果給ならアイデアと実行力しだいで利益を拡大できる。フリーランスやスモールビジネス経営者として、成果報酬の仕事を選べば、時に収入が跳ね上がる楽しさを味わえるだろう。
もちろん、成果給にはリスクがつきまとう。思うような成果が出なければ報酬はゼロに近づく恐れもある。ただ、そのリスクこそが人を奮い立たせ、自己成長を後押しする原動力にもなる。自分でビジネスを仕掛ける際、アイデアや営業、マーケティングなどの腕を磨くのは大変だが、その苦労がダイレクトに収入へ反映されるのは魅力的だ。
50歳を過ぎてから成果の世界に飛び込むのは勇気がいるかもしれない。しかし、社会人として培った経験や人脈があるぶん、有利な面は多い。むしろ若い人たちに足りない実践的な知恵を備えていることが多いので、成果を出すにはうってつけだと言える。
50歳からの独立は遅いのか?
「もう若くないし、チャレンジは難しい」と思うのは早計だ。じつは50歳を超えてから独立や起業に踏み切る例は、近年珍しくない。なぜなら、社会で長く働いたぶんだけ業界知識や人脈、信用が確立されているからだ。これは起業家にとって大きな武器になる。
しかも人生100年時代とも言われる今、50代でもまだ先は長い。会社員として定年を迎えるまでの数年を消化試合のように過ごすより、早めに自分のビジネスを始めてしまうほうが、独立後の年数も長く取りやすい。企業にいれば安泰とは限らない時代だからこそ、むしろ自分のやりたいことに注力する価値がある。

独立の準備は確かに大変だ。ビジネスモデルをどう設計するか、どんな顧客層を狙うか、利益をどのように確保するかなど、考えるべき課題は多い。しかし、その分をカバーできるのが「経験」や「人脈」だ。若い起業家にはない落ち着きや信頼感は、50代起業家ならではの強みになる。
リスクを恐れて何もしないほうが、長い目で見ればよほど危うい。会社の動向に左右されるだけでなく、自分の可能性を試す機会を奪われるからだ。逆にリスクを承知で新しい一歩を踏み出せば、これまで出会わなかった収入の流れやビジネスチャンスが見えてくる。
資本主義社会で富を掴む要点
資本主義社会を見渡すと、社長や地主など“働かせる側”が、必死に働く人々より豊かになりやすい仕組みがある。これは偶然ではなく、そもそも資本主義が「他者の労働や時間」を使って利益を得るシステムだからだ。労働主義の人が時間を売って稼いでいる一方で、資本主義を活用する人は、人を働かせたり仕組みに投資したりして稼ぐ。
だから、「働く側」から「働かせる側」へ立場を変えられれば、飛躍的に報酬が増える可能性がある。もちろんいきなり大企業の社長になれという話ではない。小規模でも、自分が主導できるビジネスを持てばいい。ポイントは「自分がいなくてもお金が動く仕組み」を作ることだ。少しずつ外注や協力体制を整えながら、自分の手が回らなくてもビジネスが回る段階に持っていく。
雇われ続けていると、どうしても会社の都合に合わせざるを得ない。そこでは給料アップにも限度があり、最後は資本家や経営者が利益を回収していく。だから、「雇われ続けることであなたのお金が奪われている現実を直視する」という現実も、資本主義を理解すれば納得できるはずだ。
重要なのは、いきなり全てを投げ打つことではなく、資本主義の恩恵を受けるための準備を着実に進めることだ。小さなビジネスを始め、成果給に近い形を選択する。あるいは投資や外注を取り入れ、時間の切り売りを減らす努力をする。これまでの豊富な経験値を活かし、シンプルかつ効果的な方法を探ってみてほしい。
豊かな人生へ踏み出すコツ
雇われのリスクを超え、本当の豊かさを手にするための一番の要は、「収入>支出」を確保し、その差を広げ続けることだ。支出を見直し、収入の流れを複数持つよう意識する。特にスモールビジネスでは、「自分が動くほど儲かる」モデルだけでなく、「自分が動かなくても回る仕組み」の構築も大切になる。
とはいえ、人生は仕事だけではない。せっかく独立しても、肩に力を入れすぎると息切れしてしまう。自分の強みや得意分野を活かしながら遊び心を忘れない。楽しく続けられる方法を探すほうが、長期的には実績や評判が積み上がりやすい。楽しみながら成果を上げる人に、人は自然と惹きつけられるものだ。

「安定収入」という呪縛を解いてみると、意外にも世界は広い。リスクを恐れすぎるより、自分でコントロールできる余地があるほうが安心感が増すという逆説もある。50歳以上のスモールビジネス経営者は、長年の知恵や技術、人間関係という資産をフルに活用できる点が大きな強みだ。
今から始めても遅くない。小さな副業やテストマーケティングを通じて、自分が本当にやりたいことを見極めるのもいい。大事なのは、「資本主義の上で労働主義に陥らない」と意識すること。時間を切り売りするだけでなく、新たな収入の流れを作る視点を持つ。人生を経営するような気持ちで、一歩踏み出してみよう。そこには想像以上に豊かな未来が待っている。