資金繰りの悩みから抜け出す方法

資金繰りの悩みから抜け出す方法

小さな会社を経営をしている時に、最も辛いのは資金繰りと言ってもいい。資金繰りを良くする為にまずやらなければいけないことは、とにかく空の財布を太らすことである。金の流れは、はじめは小さな金額、それから経験を重ね力が増すにつれて、だんだん大きな金額になってゆく。少しづつ必要な技量や知識を学び、習慣を変え、金の流れを少しづつ太くしていくことだ。(内田游雲)

profile:内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。中小企業や個人事業等の小さな会社のコンサルティングを中心に行う。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的コンサルティングには定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めて経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「洩天機-運の研究」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)

資金繰りとは金の流れの改善

小さな会社の社長が持つ悩みのかなりの部分は資金繰りにある。

「いつも、資金繰りがうまくいかない。」
「毎月の社員の給料を払うのに胃が痛くなる」
「頑張っているのに、いつも金がギリギリで、
気がつけば自分の給料が取れなくなっている。」
「有ったはずの金がいつの間にか出ていってしまう」

中小企業や個人事業のような小さな会社を経営をしている時に、最も辛いのは、この資金繰りと言ってもいいだろう。ここでは、資金繰りを改善するために、会社の金の流れから考えてみることにする。

資金繰りとはお金の流れのこと

資金繰りを改善させるステップ

資金繰りを改善させる為の最初のステップは

(1)あなたの会社の粗利の10%を必ず貯金すること
   粗利とは商品の売上から仕入れを引いた残りだ。

これは、まず最初にやることだ。できるだけ、下ろせない形にすることが理想だ。

例えば、一日の売上が5万円として、その商品の仕入れが50%だったとする。これで粗利が50%ということになる。そうすると25,000円が粗利だから、2,500円を必ず貯金するのだ。

金が入ってくるということは、それぞれの仕事によって、世の中の金の流れの一部が、あなたの会社へと流れるように、向きを変えているということだ。この量がそれぞれの会社の能力や仕事の内容に応じて違うのだが、量に差はあってもどのような会社にも金の流れができている。

そこで、まず既に、今ある富の源を活用することだ。

なぜそうであるかはよくわからないが粗利の10%を貯金して使うのを止めても、それまでと同じ規模のビジネスを維持していくことができる。以前より、何かが足りなくなるといったことはない。そして、間もなく、以前よりも金の流れがよくなるようになっていくものだ。

個人の場合、稼いだ金の一部を使わずに取っておく人間には、金がより簡単に引き寄せられるようになる。逆に、財布が空の人間からは、金は逃げていく。これは、小さな会社においても全く同じなのだ。

だから、資金繰りを良くする為にまずやらなければいけないことは、とにかく空の財布を太らすことである。これを、やり続ければ、次第に資金繰りが楽になっていく。

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粗利の10%が貯蓄できない場合

しかし、粗利の10%貯蓄すると、金がうまく回らないようであれば、まず、できるようにその方法を考えることだ。まず、単純に考えるならば、粗利を10%増やすことである。

先の例であれば、粗利を50%⇒60%に増やすことを考えればいい。

粗利の増やし方には2つある。仕入れ価格を下げることと、販売価格を上げることだ。これは、同時にやっても構わない。単純に仕入れ価格を5%下げて、販売価格を5%上げることができれば、粗利の10%を貯蓄することができるようになる。

さらに、もう少し深く考えれば、10%の貯蓄ができない理由に、残った粗利分で営業経費(人件費や広告費、家賃など)がまかなえないということも考えられる。そうであれば、こういった営業経費を少しずつ下げれば、10%という数字は、それほど無理なくできるものだ。

理想のお金の流れは延長線上か

理想の金の流れが今の延長線上にあるか

そして、次のステップは、

(2)「理想の金の流れを得るためにはどうすればいいか?
    その具体的な方法を考えること。」

まず、あなたの理想とする金の流れは、今、あなたがしているビジネスの延長線上にあるだろうか?

あるようであれば問題はない。時間さえかければ必ず到達できる。しかし、もしそうでないとしたら、ビジネスモデルを変える必要がある。目標とする金の流れが今の延長線上にない場合には、残念ながら、これからもそうはなっていかない。明確な目標に向かって自己の能力を技量を高め、学び、行動することが必要だ。

どうしたら理想の金の流れを得ることができるか?
そのためには何をすればいいのか?

これをまず考えることだ。

目標の金の流れが大きい場合には、小さな目標を決めて段階的に考える。

たいていの社長が望んでいるのは、単にぼんやりと

「金がたくさんあったらいいな」

といった程度のものだ。

「金がたくさんあったらいいな」と望んだとしても、それでは、目的がはっきりしていない。
「金が○○○円欲しい」と望むのであれば、その望みは、はっきりした形をとり、実現に向けて努力できる。

小さなものでも明確な望みを実現するやり方さえ身に付ければ、より大きな望みを実現するための訓練となってゆくのだ。これが、会社の資金が潤沢になっていく過程である。

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最初は小さな金の流れを増やす

金の流れとは、はじめは小さな金額、それから経験を重ね力が増すにつれて、だんだん大きな金額になってゆくだけなのだ。だから、最初の目標地点は、単純で明確なものにする。

望むものが大きすぎたり、複雑すぎたり、あるいは、人間が訓練しても不可能な、遥かに限界を超えていれば、かえって自滅してしまうことになる。常に、一歩々々確実な歩みを目指すことである。

夜走っている車を想像してみて欲しい。ヘッドライトの照明は、せいぜい30m~50mくらい前しか照らしてくれないが、目の前の50mが見えさえすれば、東京から大阪まで暗闇の中を運転して行くことができる。このように、目的地さえ決めていれば、あとは、目の前の50mが見えれば、そこに到達することができるのだ。

少しづつ必要な技量や知識を学び、習慣を変え、金の流れを少しづつ太くしていくことだ。金の流れを増やすことは、すなわち会社が成長するということだ。そして、会社を成長させるためには、社長が成長していくしか無いのである。

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