失業してもお金を稼げるようになっておく

AIによる自動化は単純作業や事務作業を、驚くほどの速さと正確さで代替し、英語を公用語とする企業の増加により海外人材との競争も激化している。企業に依存する働き方だけでは、突然のリストラや倒産による失業リスクが高まる。そこで、副業やスキルアップを通じて複数の収入源を確保し、“稼ぐ力”を養うことが不可欠だ。AI時代でも生き残りやすく、いざというときに柔軟に対応できるよう、会社に頼りきらない働き方を今から身につける必要がある。(内田游雲)

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内田游雲(うちだ ゆううん)

ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めてスモールビジネス経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「運の研究-洩天機-」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)

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近年、あらゆる業界で自動化・効率化が進み、人間が手を動かさなくても機械やAIが仕事をこなす時代になっている。たとえば銀行の窓口は大幅に減り、昔は当たり前に行われていた事務作業も、パソコンひとつで簡単に処理できるようになった。英語を公用語とする企業が増え、海外から人材を積極的に採用するケースも多い。こうした変化は、日本国内に限らず世界規模で加速している。

今や失業は他人事ではない

これに伴い、ある日突然「失業」という現実がやってくる可能性は、誰にでもある。リストラ、会社の倒産、事業の撤退…。会社や業界の動きだけでなく、経済の変化やグローバル化によって、自分の仕事が無くなるケースも多い。そんな状況下で「まさか自分が」と驚いても、後の祭りだ。だからこそ今、就職していても安心しきってはいられない。いつかやってくるかもしれない「失業」に備え、収入を自分の力でつくる準備をしておく必要がある。

こう聞くと構えてしまいそうだが、時代に取り残されてしまうほうがリスクは大きい。AIに仕事を奪われるとか、海外人材に職を奪われるとか…。考えるだけでも暗い気持ちになるかもしれないが、むしろ逆に「誰でもチャンスを得られる時代」であるともいえる。インターネットとテクノロジーを活用すれば、失業を余儀なくされても、誰かに雇われなくても、自分の力で稼いで生きていく道は想像以上に開けている。

失業を恐れて動けないよりも、「いつ失業しても大丈夫」と言えるくらいの準備とスキルを身につけたほうが、よっぽど安心だ。

なぜこれから失業が増えるのか?

今後、失業が増える大きな要因は、自動化とグローバル化の二つに集約される。
まず自動化について。パソコンや機械は、人間では到底追いつかない速度で処理を進めることができる。単純作業や定型的な事務などは、プログラムさえ作ればあとは機械が延々とやってくれる。かつては10人で担当していた仕事を、今は1台のパソコンでこなしてしまう企業も珍しくない。

さらにAIが登場したことで「人間が判断する領域」にまで機械が進出している。決済や受発注、商品リサーチなど、これまで人がせっせとやっていたことをミスなく猛スピードでこなす。
こうなると、企業としては人件費が重い負担になりがちだ。
リスク回避とコスト削減のために、人を減らしAIやシステムを導入するのは当然の流れだろう。

失業リスクは多かれ少なかれ誰もが背負っている

もうひとつがグローバル化。英語が社内公用語になる企業が増えたということは、日本国内だけでなく海外からの優秀な人材を積極的に採用するという意味でもある。
企業にとっては、能力が高く給与や条件面でも納得してくれる海外人材のほうがコスパが良い場合が多い。
逆に言えば、日本人だからというだけで採用される時代は終わった。海外の優秀な人材と対等に競争しなければならないのだ。

こういった状況のなかで、ずっと雇用が安定する保証はどこにもない。
失業のリスクは、多かれ少なかれ誰もが背負っているのだ。
企業トップが時代の波に乗りきれず、事業縮小や倒産に踏み切ることは大いにあり得る。もしトップが優秀だったとしても、AIが主導するシステムへ仕事を置き換えるほうが効率的ならば、やはり人は減らされる。

失業しても困らないための心構え

失業を防ぐために必死になるよりも、「失業しても大丈夫」と思える自分になるほうが、結果的に安心感が大きい。
そうはいっても、何をどう準備したら良いのかわからない人は多いだろう。まずは下記のような視点を持ってみるといい。

1.スキルは自分で磨いておく
会社で与えられた仕事だけをこなすのではなく、自分が興味を持ったことや市場価値が高い分野のスキルを習得してみる。どの分野でも「習うより慣れろ」で、実際に使ってみると想像以上に役立つスキルが身につく。

2.複数の収入源を持つようにする
サラーリーマンであっても、副業や投資などで収入の柱を複数持っておくと心強い。たとえ、お小遣い程度であっても、副収入があるだけで「失業したらゼロ」という不安を軽減することができる。

3.最新技術や市場動向にアンテナを立てる
AIの進化や海外の人材の流入など、世の中がどう動いているのかを常にチェックする。特に、今後伸びる分野やニーズが高まっている領域に注目しておく。ロボット技術やプログラミング、データ分析などは、当面需要が高まると予想されている。どこでどんな仕事が求められているのかを掴んでおけば、失業してから探す手間も減ることになる。

不要なモノを減らして日々の暮らしを身軽にする

4.生活をグレードダウンしておく
生き残るためには、生活をグレードダウンしておく事が重要になる。
「生活は習慣の塊」とよく言われるように、毎日の何気ない行動が私たちの暮らしの基盤を形作っている。だからこそ、将来の不測の事態に備えたいなら、できるだけ早い段階で生活のグレードを落としておくことが重要だ。
仮に、外食の回数を減らすだけでも、家計の圧迫は大きく緩和される。通信費や光熱費、さらには家賃などの削減を試みることも、習慣化してしまえば負担にならないうえ、貴重な資金を投資に回せるメリットがある。
さらに、不要なモノを減らして住空間を整えることは、心理的なストレス軽減や掃除の手間の削減にもつながり、日々の暮らしをより身軽にしてくれる。

こうした小さな工夫を積み重ねれば、長い目で見て大きな差を生み出すことができる。習慣を変えるのは容易ではないかもしれないが、一度定着させてしまえば、それが当たり前の生活リズムとなり、無理なく継続できるようになるだろう。

会社に依存しすぎない働き方

「今すぐ会社を辞めよう」と言っているわけではない。
むしろ今の会社に勤めながら、空き時間を副業やスキルアップに活用するのが賢い戦略だ。会社で働きつつ副業で稼げるようになれば、仮に失業しても収入ゼロにならないし、再就職するにしても余裕を持って自分に合った企業を選ぶことができる。

会社にしがみついているだけでは、給料が高くならないのはもちろん、いつ人員整理が行われるかわからない。万が一リストラに遭ってしまうと、次の仕事を探すために何も武器がない状態からスタートすることになる。

一方、「自分の市場価値を上げるために、会社は学びの場」と割り切れば、今の仕事で磨けるスキルはたくさんある。
プレゼンテーション能力やチームマネジメント、数字管理やコミュニケーションスキルなど、上手に吸収していけば、どんな業界でも応用が効く。
会社に勤めているうちにこれらの能力を身につけ、副業や個人の活動でさらに伸ばせば、自分のブランド価値は確実に高まる。

いつ失業しても稼げる自分になる

AIが職を奪う、グローバル化で日本人が海外人材に押される…。
こうした流れは、すでに始まっている。
とにかく「失業したくない」からといって、何もしないで祈るように働くのは危険だ。むしろ「失業」にはいつでもなり得るものと考え、そのときに困らない働き方を身につけたほうが自分を守れる。

「会社が倒産してしまった」
「急にリストラに遭ってしまった」
というピンチが来ても、落ち着いて自分の道を選ぶことができる。

もちろん、失業の不安が完全になくなるわけではないが、自分に選択肢が多ければ多いほど、人生の舵取りが自由にできるようになるのは確かだ。

本業だけに頼らず、副業や新しいスキルの習得を始めるのに早すぎることはない。むしろ、一度体験すると「案外できるかも」と自信がつくはずだ。

失業やリストラのニュースに振り回されず、自分のペースで未来を切り開いていこう。何が起きても「大丈夫」と言えるほどの力があれば、時代の波に乗るのも怖くなくなる。

会社に雇用されていようが、フリーランスで活動していようが、結局、自分を支えるのは自分しかいない。未来の失業リスクにおびえるより、今できることを行動に移す。そうして“稼ぐ力”を身につければ、誰に何を言われようと動じない、しなやかで強い自分へと成長できるはずだ。

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