コロナ禍が教えた真実:社長こそ複数の収入の流れが必要なワケ

自分の人生を保証できるのは自分だけだ

コロナ禍を経て企業や雇用の不安定さが露呈し、一つの収入源だけに依存するリスクが顕在化した。小さな会社を経営する人こそ複数の収入の流れを整え、ネットや「気の経営」を活かして人と事業のエネルギーを循環させるべきだ。会社や外部が人生を保証してはくれない今、自ら行動しなければ、他者からの安定は得られない。複数の収益の流れがあれば、予測不能な時代を切り開き、自由で豊かな人生に近づける。(内田游雲)

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内田游雲(うちだ ゆううん)

ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めてスモールビジネス経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「運の研究-洩天機-」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)

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コロナウイルスの世界的なパンデミックは、現代社会の脆弱性を改めて浮き彫りにした。とくに、中小企業や小規模事業者にとっては、売り上げが一気に落ち込み、経営状態が逼迫する局面が一気に加速した。

コロナ禍が炙り出した経営リスク

補助金や助成金に頼って一時的に生き延びた事業者も少なくないが、それらの施策が打ち切られたときに、倒産の危機が待ち受けていたのは周知のとおり。

しかも、大手企業ですら減収減益を余儀なくされた。グローバル経済の変動やサプライチェーンの混乱によって、安定と思われていた雇用も一気に不安定化した。
この状況が示すのは、「どんなにネームバリューのある会社であっても、雇用が絶対に守られるという保証はない」という現実だ。中小企業の経営者たちが抱えるリスクは、こうした巨大企業の雇用調整の波が巡り巡って自社の受注や売り上げにも影響を与える、という点にもある。連鎖倒産が身近な存在となってしまうのだ。

「いずれ景気が回復すればなんとかなる」という楽観論は、コロナ禍によって根底から覆された。今もなお続く世界情勢の不安定さや物価高騰、働き手の確保難など、多種多様な問題が経営に重くのしかかる。このような時代を生き抜くためには、企業オーナー自身が主体的に動き、リスクに備えた複数の収入の流れを構築する必要がある。会社そのものの売り上げに頼るだけではなく、経営者個人としても継続的な収益源を複数持つことで、予測不能な経済変動に柔軟に対応していくしかない。

会社依存の先に潜む危機

経営者であっても、自社の売り上げだけに依存しているケースは少なくない。創業間もないころや、経営が比較的順調なときには「自分の会社さえ黒字で回っていれば大丈夫」という気持ちが芽生えがちだ。しかし、コロナ禍で明らかになったように、一度歯車が狂うと“普通に経営していた会社”が一気に危機に陥ることは珍しくない。

売り上げの落ち込みが続けば経費の削減を迫られる。経営者が真っ先に検討するのは人件費の削減だ。中小企業ならなおさら、従業員を守れる余力を持つところばかりではない。苦渋の決断を迫られ、リストラや雇い止めが横行する一方で、経営者自身の収入も大きくダメージを受ける。

大手企業が副業を解禁している流れは「もう企業はあなたの人生を保証しませんよ」というメッセージだ。中小企業だって同様である。自社の収益だけに頼りきりの経営を続けていれば、予想外のトラブルが起きた瞬間に生活基盤が一瞬で揺らいでしまう。事業が苦しくなっても、銀行がいつも笑顔で融資してくれるとは限らない。

リスクを減らすには、会社という枠にしがみつかず、経営者個人として「次の一手」を準備しておくことが重要になる。もちろん、経営者自身の給与に余裕があれば投資に回すこともできるかもしれないが、その投資先を誤れば返ってリスクを増大させる場合もある。だからこそ、「自分でコントロールできる収入源」を複数持つことが鍵になる。

複数の収入の流れの威力

「複数の収入の流れを構築せよ」という言葉は、近年ますます重要視されている。経営者という立場だからこそ、メインとなる自社事業の利益だけではなく、複線的に小さな収益源をいくつか持っておくことで、経営リスクの分散が可能になる。

たとえば、商品開発で培った知見をオンラインで情報発信し、コンサルティングや講座運営を行うといった方法が考えられる。自社が持つ強みを活かして新たなプロジェクトや副業を展開していくと、社外にもネットワークが広がり、思わぬビジネスチャンスが舞い込むこともある。

もちろん、「時間がない」「スタッフが手いっぱい」という声はよく聞く。しかし、あえて時間を割いて挑戦してみる価値は大いにある。最初は収益が微々たるものでも、続けていくうちにビジネスの幅が広がり、会社とは別の“緩衝材”のような収益源が出来上がるからだ。経営者の視点から言えば、それが精神的な余裕をもたらし、さらなるチャレンジを可能にする潤滑油となっていく。

さらに、会社の売上規模が小さなうちは銀行融資にも限度がある。苦しい経営状況が長引くと借り入れが難しくなり、経営者個人の資産からの立て替えを迫られる場合も出てくる。だが、複数の収入の流れがあれば、予期せぬ事態にも対処しやすくなる。まさに「経営の命綱」といえる存在だ。

ネット活用と副業の展望

現代はインターネットを活用した事業展開や副業の可能性がかつてないほど開かれている。ECサイトで自社商品の直販を始めたり、SNSやブログ、動画などで情報を発信して広告収入を得る道もある。そうした取り組みを「副業」と呼ぶか「新規事業」と呼ぶかは人それぞれだが、ネット上には驚くほど多彩な方法が眠っている。

たとえば、これまでは全国的な知名度がなかったローカル企業でも、インターネットを介して全国の顧客に商品を販売できるようになった。自社の運営サイトや大手ECモールなどを駆使すれば、リアル店舗に比べて初期コストを抑えつつ、口コミやSNSの拡散力を利用して大きな売上を狙える。

さらに、細切れの時間でできる業務や、専門知識を活かせるアドバイザリー業務も増えている。自分の得意分野をオンラインコミュニティで教える、有料メルマガや動画講座を運営するといった、初期投資を抑えたビジネスモデルも可能だ。

ただし、手当たり次第に飛びつくのは危険だ。FXや暗号資産などの投機的なジャンルは、短期で大きな利益を狙える反面、相応のリスクも大きい。安易に借金をして不動産投資に乗り出すのもリスキーだ。経営者が押さえておくべき基本は、「ネットを活用した低コストかつ、長期的に蓄積できる仕組み作り」である。

「気の経営」で開く新境地

複数の収入の流れを作り出すためには、単純な利益追求だけでは続かない。そこに必要となるのが「気の経営」という考え方だ。これは、企業活動において“エネルギーの巡り”や“人の流れ”、“社会との調和”を重視する経営スタイルとも言える。

「気の経営」の本質は、自社のリソースや人材の能力を最大限に活かしながら、周囲のニーズや環境変化に柔軟に応えていく点にある。利益第一主義を振りかざすと、どうしても視野が狭くなり、短期的利益は得られても長続きしづらい。ところが、気の巡りを整えるように社内外の人間関係を構築し、社員や顧客、取引先にとってもプラスとなる関係性を築くと、その相乗効果が新たなビジネス機会を生み出す。

このアプローチは、一見すると抽象的に思えるかもしれない。しかし、複数の収入の流れを得ようとすれば、どうしても業種や業態をまたいだコラボレーションや新規連携が発生する。そういうときに、相手の価値観を理解し、自分たちの強みをわかりやすく提示し、相乗効果を生み出す「気のやり取り」を意識することが、大きく道を開く鍵になるのだ。

さらに、気の経営を取り入れることで、経営者自身が疲弊しにくくなる。自分のやりたいこと、得意なことを活かしながら、関係者との“気”を循環させていくからこそ、長期的にビジネスを回せる。複数の収入の流れを維持するには、経営者のモチベーションや体力、そして周りとの関係性を良い状態で保ち続ける必要がある。「気の経営」は、その環境を整えてくれる重要な要素だ。

決断こそがあなたの未来を創る

会社に頼りきりの人生は、ある意味で楽に見えるかもしれない。しかしながら、絶対的な保証がない時代において、「リスクの少ない道を選んだつもりが、実は最大のリスクを背負っていた」というケースは実に多い。とくに、小さな会社を経営している人にとって、経営の行き詰まりや個人収入のゼロ化は即座に生活基盤を揺るがしかねない大問題だ。

だからこそ、複数の収入の流れをどう作るかを真剣に考え、今から少しずつ行動に移すべきである。最初は副業感覚でも、続けていくうちに大きな柱に育つこともある。自社がダメージを受けたときに、もうひとつの収入源が自分や社員を支えてくれる可能性もある。

行動を起こすには時間も労力もかかる。勉強しなければいけないことも増える。だが、そこにかけた努力は間違いなくあなた自身の成長につながり、その結果が事業の発展や人脈の広がりに直結する。

努力は間違いなくあなた自身の成長につながる

人生で一番の保証とは、どこかに所属していることではなく、「自分で稼ぐ力がある」という事実を身につけること。経営者であれば、その視点を会社にも広げ、自社の社員や取引先に対しても柔軟な視点を提供できるようになる。

最後にもう一度強調する。「自分の人生を保証できるのは自分だけ」。この言葉を胸に刻み、複数の収入の流れを作り出すために、そして「気の経営」を通じて自由で豊かな人生を手に入れるために、一歩を踏み出してほしい。決断はいつだって勇気のいることだが、その先に新たな未来が待っているのは間違いない。

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