お金の使い方を「投資」と「消費」に分け、まず稼いだ金の一部を先に投資に回す習慣をつくれば、収入が増えても出費が際限なく拡大せず、手元に資産を残しやすくなる。学習や経験への投資は、知識やスキルの向上で将来の収入や豊かさを得やすいものだ。必要経費は放っておけば収入と同じだけ膨らむから、一円でも投資を優先し、消費を見直すことが重要となる。結果として自分や家族の欲求をより自由に満たしながら、安定と安心を得られるのだ(内田游雲)
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内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めてスモールビジネス経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「運の研究-洩天機-」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)
必要な経費は、制限しない限り収入と同じだけ膨れ上がるものだ。
たとえば、月に20万円稼いでいたら「これくらい使っても大丈夫かな」と思いがちになる。月収が30万円になれば「もうちょっと良い暮らしをしてもいいよね」と考える。
結局、これを続けると、毎月の家計は常にギリギリになる。
稼いだ分だけ支出が増えることになるからだ。
必要な経費はどこまでも大きくなる
これを防ぐには。本当に必要な経費と、ただ欲しいだけのものを混同しないことが大切になる。
「生活に絶対必要なもの」を見直せば、意外とムダな支出が多いことに気づくだろう。電気・ガス・水道などの光熱費、スマホやネット回線、各種サブスク、さらには家や車のグレードまで、本当に“今の収入”レベルで払うべきかどうかを再検討してみるといい。
自分だけでなく家族の欲求もあるなら、なおさら出費は大きくなる。
「家族が喜ぶなら仕方ない」と思って何でも払っていると、結局、収入はすべて“欲求を満たすため”に消えていくことになってしまう。
もちろん幸せの形は人それぞれだが、“なんとなく惰性で支払っているもの”が多いなら要注意だ。
そこにメスを入れるだけで、お金の余裕が生まれる。
お金を増やすためには投資が欠かせない
収入が増えても支出が増えるなら、いつまで経っても手元に残るお金は少ない。
だからこそ「稼いだお金の一部は必ず投資に回すこと」がポイントになる。
投資とは、言い換えれば、“未来のリターンを得るためにお金を使う行為”だ。
銀行に預けていても金利はほとんどつかない時代。だから、投資信託や株式、あるいは自分への学びにお金を投じることで、将来的に大きなリターンを狙う。
投資と聞くと、「損をしたらどうしよう」と心配する人は多い。だが、知識を増やせばリスクを減らせる。これが投資の第一歩。知らないまま突っ込んでしまうのは危険だが、勉強を重ねればリスクをコントロールできるようになる。
たとえ1円でも、そこに未来の価値があるのかどうかを考える習慣をつけよう。
「高いけど今しか買えない限定コレクション」よりも、
「将来の収入アップにつながる学習コンテンツ」に投じるほうが、長い目でみると有意義なことが多い。
時間とともに収入を増やしたいなら、まずは投資的なお金の使い方を習慣にすることが大切である。
なぜ本やセミナーに投資するといいのか
投資にはさまざまな種類があるが、「お金と投資」の文脈でよく言われるのが、学習や経験への投資だ。
モノを買っても、それが収入アップにつながるわけではない。新車は買った瞬間に中古車になるし、最新家電も数年後には古くなる。
一方で、本やセミナーなどを通じて得た知識やスキルは、自分自身が成長すればするほど価値が高まっていく。
新しい知識を得ると行動の幅が広がり、結果として収入を増やす機会も増えるだろう。
飲み食いに使ったお金はその場でなくなるが、本や教材に使ったお金は形には残らないものの、自分の内側に“稼ぐ武器”として蓄積されていく。
だからこそ、「本を買うなんてムダ」「セミナーなんか高いだけ」と考える人ほど、いつまでも同じ年収のまま停滞するケースが多い。
基本的に、学びへの投資は無駄になりにくい。
もちろん、自分に本当に合うものを選ぶ見極めも必要だが、“どう稼ぎたいか”が明確なら情報収集の方向性も定まる。
最初から高額なセミナーに飛びつくのが不安なら、小額の本やオンライン教材から始めてもいい。そこから得た知識を少しずつ活かしていけば、長期的に収入アップが期待できる。
資と消費の違いを理解する
お金の使い方には大きく分けて“投資”と“消費”がある。
投資は先ほども触れたとおり、未来のリターンを見越してお金を使うことだ。
消費は、単純にその瞬間の欲求を満たすためにお金を使うことである。
車や趣味のグッズを買うのがダメというわけではない。人によっては、それをうまく転売して利益を生み出す場合だってあるし、SNS発信などで収入につなげるケースもある。
しかし、「ただ欲しいから買っている」状態が続くと、お金はどんどん減っていく一方となる。
一方、自己投資の視点を持てば、買ったものや学んだことが将来の稼ぎに結びつく可能性が高まるものだ。
の「投資」か「消費」かの判断が習慣化されてくると、
「これは自分にとってプラスになるか」
「本当に必要な支出か」
をサッと考えられるようになる。
一円でも使うからには
「その使い道に価値があるか」
を問い続けるのが大事だ。
ここを意識するだけで、収入が増えても手元にお金が残るようになり、“お金と投資”の好循環が生まれることになる。
三つの力で未来のお金を生み出す
資本主義には、お金を生み出す三つの力が存在する。
それが、
「キャピタルゲイン」
「インカムゲイン」
「複利」
だ。
「キャピタルゲイン」は、株や不動産などを買った値段より高く売って利益を得ることだ。安く買って高く売れれば、その差額がプラスになる。
「インカムゲイン」は、配当金や家賃収入など、保有しているだけで一定期間ごとに受け取れる利益のことである。
「複利」は、利息や運用益を再投資することで、雪だるま式に増やしていく仕組みだ。
たとえば、投資信託や株式などで得た利益を再び投資に回すと、次は元手が増えた状態で運用できる。これが積み重なると、時間とともに大きくお金を増やすチャンスが広がる。
銀行に預けていては実感しづらいが、投資を取り入れれば複利のパワーを味方につけられる。
この三つの力を意識してお金を回す習慣を持てば、稼ぎが増えないまま生活費だけが膨らむ“悪循環”から抜け出しやすくなるだろう。
お金の使い方をコントロールする
まずは、稼いだお金をどう使うかを、しっかりコントロールする。
そうすれば、今より収入が増えても“支出も同じだけ増える”という悪循環を断ち切れる。
そうしたうえで、「お金と投資」の知識を身につけ、「必要経費の見直し」と「投資の優先度アップ」を意識するだけで、お金が少しずつ手元に残りやすくなる。
もちろん、残ったお金は好きに使っていい。
趣味に費やすのも自由だし、家族のために使うのも立派な選択だ。
大事なのは、“まず投資に回す”という習慣をつくることにある。
生活がカツカツで投資に回す余裕なんてないと思っていても、思い切って先取りしてみると案外やっていけるものだ。
「最初に投資額を決める→残りのお金で暮らす」という仕組みに切り替えると、想像以上に家計はスムーズに回りだすだろう。
貯金がゼロから一万円、三万円、五万円と増えていくと、その安心感はプライスレスだ。
家計に余裕が出てきたら、さらに投資に回せる額も増やす。こうして未来へつながる“豊かさ”を加速させる。
投資をするからこそ、自分の可能性を広げられる。知識やスキルが高まれば収入も伸びやすい。結果として、欲しかったものが無理なく買えるようになり、家族にももっと幸せを与えられるのだ。
収入の一部を必ず投資に回す習慣を作る
お金と投資について考えるうえで大事なのは、「稼いだお金の一部を必ず投資に回す」という習慣を作ることだ。
必要経費は放っておけば際限なく増える。だからこそ、まずは一円でも投資に回し、未来の自分の収入アップにつながる知識や経験、さらには株式や投資信託など“お金を生み出す力”へとつなげていく。
学びや経験への投資は、目に見える形で残らないぶん、最初は不安かもしれないが、その投資が自分の可能性を広げ、魅力を高めて収入を底上げしてくれる。
収入が増えてもひたすら散財していたら一向に豊かにはなりえない。
投資と消費を区別し、まずは上手にお金を使うコツを身につけることだ。
そうすれば、お金と投資がうまく回り、やがて大きな安心と豊かさをもたらしてくれることになる。