強みに特化しOnly oneからNo.1を目指していく

どのような市場にも必ずライバルが存在する。そのライバルに打ち勝つ為には、やはり、経営資源(資金や時間や人)を集中させる必要があるのは自明の理である。そしてこの時に重要な事は、「強みに特化」することだ。人間には、誰にも持って生まれた才能というものがある。その才能を基にビジネスを組み立てることで、強みが発揮されていく。仕事を独り占めするのではなく、それぞれの得意なところを分担する。奪い合いの中で経営するのではなく、与え合いの中でビジネスを構築していくことだ。(内田游雲)

強みに特化し商売をする

中小企業や個人事業者のような小さな会社においては、「強みに特化する」ことが非常に重要になる。

もちろん、何に集中するかの判断も重要になるのだが、スモールビジネスにおいては資金も人材も足りていないのだから、とにかく一つに集中させることが最も重要だ。そうしないと、どのようなジャンルの商売であっても、結局競争に負けてしまうことになる。

スモールビジネスでは、なるべく競争のない場所で商売をするしかないが、かといってライバルが全くいなくなることは絶対にありえない。ライバルが全くいないということは、需要そのものが無い可能性が高いので、そもそも、そこでは商売にならないからだ。

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どのような市場にも必ずライバルが存在する。そのライバルに打ち勝つ為には、やはり、経営資源(資金や時間や人)を集中させる必要があるのは自明の理である。そしてこの時に重要な事は、「強みに特化」することなのだ。

そこそこの物が何でもそろっている店は、お客にとって魅力は無い。何でもできるということは、何もできないということでもある。

それよりも、
「私どもには、これしかありません。
 しかし、これは日本一です。」
こういう店こそ、魅力にあふれるものなのである。
しかし、多くの経営者が、商品を絞ることや対象客を絞ることに恐怖を覚える。

「そんなことしたら売上が減ってしまう!」
こう恐怖を抱くのだ。

No.1は記憶に残る

小さな会社の行う商売、つまりスモールビジネスは、強みに特化することが必要である。なぜ強みに特化するのかというと、それは、商圏内でOnly oneからNo.1を取る為である。

会社や店を繁盛させる最もいい方法は、No.1 となることだ。No.1 になると、大きなメリットがある。その中でも最大のメリットは、記憶に残るということである。

例えば、日本で一番高い山は、どこだろうか?
この質問は、日本人であれば、ほとんどが答えられるだろう。
もちろん富士山だ。標高3,776mで日本一高い山だ。

それでは、日本で2番目に高い山は、どこだろうか?
これは、ほとんど答えられる人はいない。

答えは、南アルプスの北岳だ。そもそもが、なんとも地味な名前になっている。ちなみに、この南アルプスも私の住んでいる静岡県と山梨県の県境付近にある。

こうした一番と二番の違いは、マーケティングの世界で、No.1を取る意味として説明されている。Yahooの検索回数でも富士山が約12,700,000回、北岳が約354,000件。つまり桁が2つ違うほどなのである。

同様に世界で一番高い山はどこだろうか?
もちろんエベレスト(チョモランマ)だ。では2番目は?

2番目は「K2」なのだそうだ。これも、登山家でもない限りあまり知られていない。やはり、一番は強いのである。

小さくてもNo.1になれる

No.1 になると、商売では圧倒的に利益が大きく上がるようになる。だから、商売においてはNo.1 になることがとても重要になる。しかしNo.1になることは、現実には難しいものだ。なぜなら自分より大きな会社を打ち負かしてNo.1になることは、普通にやっていては無理なのである。

それよりも、No.1になる一番簡単な方法は、新しい分野を打ちたてることだ。つまりOnly oneになることだ。こうすれば、誰でもNo.1になれる。他に存在しないのだから当たり前だ。

新しい分野を打ち立てるというのは、難しそうに聞こえるかもしれないが。ライバルが多くいる分野でNo.1 を取るより実際には楽にできるものである。いろいろ組み合わせたり、細分化したりと、多くの試行錯誤を繰り返すうちに、案外簡単に見つかるものである。これをもっとも、簡単に実現するのが「強みに特化する」ということなのだ。

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では、この「強み」は、どうやって見つけるかだが、これにはいくつかの方法がある。

一番簡単なのは、経営者の個性の上に商売を作り上げることだ。人にはそれぞれ個性がある。まったく同じ人間は存在しない。スモールビジネスのルールで取り上げた「情熱と信念」という経営スタイルは、経営者の個性の上に、ビジネスが成り立つものだからだ。

そもそも、小さな会社のスモールビジネスでは、経営者の個性が前面に出てくる。小さな会社であれば、だれでも社長の顔を見て商品を購入することができる。だから、社長の個性の上に立ったNo.1のビジネスになっていくのだ。

個性や才能がOnly oneへ導く

誰であっても、人間には、それぞれ違った個性がある。この個性を商品に反映させることができたら、経営者の個性イコール、商品やサービスの個性、そして、小さな会社の個性になるのだ。

この世の中に、まったく同じ人間は存在しない。当たり前だ。持って生まれた才能やこれまでに身につけた技能、経験といったものの集合として、その人の強みは構成される。だから、世の中におなじ強みを持った人は2人といないはずだ。(もちろん、似ている人はいる・・・)

才能を基にして競争のない経営をする

人間には、誰にも持って生まれた才能というものがある。その才能を基に商売を組み立てることで、強みが発揮されていくのである。

そうすると、「強みに特化」した経営とは、そのままOnly oneとなる。
これはつまり、これまで競争の中で商売をおこなってきたものが、競争のない経営になっていくことを意味しているのである。

レッドオーシャン(戦いの海)ではなく、ブルーオーシャン(静かな海)で商売をするほぼ唯一の方法は、この「強みに特化」するということなのだ。

シェアリングで強みを活かす

しかし、そうはいっても小さな会社を経営するということは、多くのことをやらなければならないと思うかもしれない。たしかに、会社やお店を経営することは、総合的な能力が必要だ。しかし、このような場合も、自分の強み以外のことは、つながりの中で他人に任せるようにする。これが、ワークシェアリングという考え方である。

仕事を独り占めするのではなく、それぞれの得意なところを分担する。そうすることで、相互に支援し、応援し合える絆を作り出していくことができる。

じつは、この応援し合える絆を作り出していくことこそが、「強みに特化」する最大のメリットになる。奪い合いの中で経営するのではなく、与え合いの中でビジネスを構築していく。これが、「強みに特化」という意味なのだ。

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