蕎麦屋とラーメン屋のどちらが儲かるのか

私は、「好きなこと」「やりたいこと」を商売にすることを勧めている。しかし実際には、それだけではだめなのだ。現実の状況と「やりたいこと」を擦り合わせていく作業が必要になる。経営でで重要なことは、いかに失敗しないようにするかだ。商売が上手くいくコツは、やりたいことをやるだけではなく、どうすれば失敗しないかを合わせて考えることにある。(内田游雲)

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内田游雲(うちだ ゆううん)

ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。中小企業や個人事業等の小さな会社のコンサルティングを中心に行う。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的コンサルティングには定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めて経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「運の研究-洩天機-」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)

ラーメン屋と蕎麦屋の違い

商売をする上で重要なことは、いかに失敗しない方法で商売をするかである。

私は、セミナーやコンサルティングを通じて、これまで多くの会社の起業や再生に関わってきた。
そのなかで、多くの社長に特徴的なのが、「私は○○が好きだから〇○業をしたいのです。」 と、まず、やりたいことが先行しがちなことだ。

しかし、これでは失敗の確率が上がってしまう。
商売を上手く行っていくコツは、やりたいことをやるだけではなく、どうすれば失敗しないかも合わせて考えることにあるのだ。

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例えば、あなたがラーメン屋か蕎麦屋のどちらかをやるとする。どちらのほうが失敗しにくいだろうか?
こうした判断は、たいてい好き嫌いで選んでしまうものだ。

自分はラーメンが好きだからラーメン屋をやる。
蕎麦が好きだから蕎麦屋をやる という具合である。
しかし、ラーメン屋と蕎麦屋では蕎麦屋のほうが失敗しにくい。

例えば、ラーメン屋の顧客単価はどれくらいだろうか?

ラーメンだけなら800円~1000円 もっと安い店もある。それに、ビールと餃子を追加して1500円~2000円

一方で、蕎麦屋は、手打ちなら1000円~
天蕎麦がついて1500円~
日本酒と簡単な肴を追加して2000円~

普通に考えても、500円以上の客単価の違いがある。

蕎麦屋のほうが儲かる

では、原価率はどうだろうか?

これは、それほど変わらない。
むしろ、ラーメンのほうが高いのではないかと思われる。
ラーメンは、豚骨などにすると、スープにかなりコストがかかりる。
仕込み時間もラーメンのほうが半端なくかかるだろう。
煮込む時間がかかるから光熱費も上がることになる。
温度も上がるから、冷房費も上がる。
さらに、油が充満するから、店舗の清掃コストも大きくなっていく。
商品原価どころか、ランニングコストまで高い状態だ。
おそらくラーメンの経費から見る適正価格は、あと3~400円ほど高くしないと利益が出にくいのではないかと思われるが、競合を考えると残念ながらそれができない環境となっている。

ラーメン屋は利益を出しにくい環境にある

一方で、蕎麦屋は、山の中でもできる。
(むしろそのほうが人気が出たりする)
ということは、初期投資も安くなる。土地代はタダ、古民家などであれば、空き家が出まくりなので、言い値で買えたり借りれたりできる。
さらに、清掃コストもラーメンに比べて低い。
そして、なんといっても単価が高い・・・

ここまで、考えれば、どちらのほうが失敗しにくいかは、自明の理なのだ。

経営とは現実との擦り合わせ

私は、よく「好きなこと」「やりたいこと」とを商売にすることを勧めるが、実際には、それだけではだめである。
現実の状況と、「やりたい事」を擦り合わせていく作業が必要になる。
擦り合わせていく中で、どのような業種・業態で行くかが決まっていく。
どうもここが見えてない人が多いようで間違ってしまうのだ。

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商売を始める時に大事なことは、その商売がちゃんと利益が出やすい業種業態かどうかだ。
ここを忘れる人が非常に多い。
これでは、商売とは言えない。

たしかに、実際、この部分は経験がないとなかなかできない。
もちろん何か商売を始める時は、誰でも初めてのことですから仕方がない。
だったら、失敗する前に、専門家に相談すべきところである。

失敗しないということは、成功する確率が高く成るということだからだ。

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