小さな会社は戦わない戦略を取れ

小さな会社は戦わない戦略を持つことが必要になる

経営で最も重要なことは、様々な手法を勉強して、それを経営に活かすことよりも、ちゃんと儲かる場所で商売を行うことのである。じつは、商売の肝はここだけだと行っていい。経営戦略とは、どこで戦うのかということだ。商売の場所を間違えると、どれだけ頑張ったとしても苦労ばかりで儲かるようにはならない。残酷なようだが、これが商売の真実である。(内田游雲)

profile:内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。中小企業や個人事業等の小さな会社のコンサルティングを中心に行う。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的コンサルティングには定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めて経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「洩天機-運の研究」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)

儲かる場所が見えていない

私が小さな会社のコンサルティングを専門にするようになってから、かれこれ、25年になろうとしている。

コンサル業務に関しては、最初は、不動産活用のコンサルティングから始まったのだが、完全な経営コンサルを仕事にしたのが、だいたい20年くらい前からだ。

その間、多くのものを学びながらコンサル業を続けてきた。

この25年間のコンサルティング活動で、気づいたことがある。それが、商売には、社長の力が及ばないものがあるということだ。例えるなら、戦争や世界的な恐慌、更には、商売をやっている地域の変化といった経営環境などである。こうした流れは、どれだけ勉強しても、また天才的な経営手法を考えついても、どうにもならないのだ。

言い換えれば、最後は「運」なのである。

そこで、この『気の経営塾』という私塾を立ち上げることにした。

『気の経営塾』とは、いかにして儲かる場所を見つけて、そこで合理的にビジネスをするかということにフォーカスをしている。つまり、「運」を味方につけるために行動するということだ。「運」を味方につけるためには、最初にいかに確率の高い場所で商売するかが重要となる。

多くの手法を勉強して、それを経営に活かすことよりも、ちゃんと儲かる場所でビジネスを行うことた。じつは、商売の肝はここだけだと行っていい。

儲かる場所というのは、単なる地理的な場所のことだけではない。どのようなニーズの商品を売るのか。ライバル(競合相手)はどれくらい存在するのか。こうしたことを総合して考えるのである。

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小さな会社の戦略と戦術

小さな会社の社長が、経営を考える上で必要なものに、戦略と戦術がある。もちろん、これは小さな会社に限らないのだが、小さな会社のほうがより重要度が大きい。なぜなら、小さな会社は資金体力がないために、一度の失敗が命取りになりやすい。だから、できるだけ儲かりやすい場所で商売を行うことが必須になる。

つまり、経営戦略とは、どこで戦うのかということだ。

儲かる場所を見極めて、商圏の設定や、どのジャンルの商品を扱うのか。さらに、顧客ターゲットのグループはどうか、さらには、ライバルの存在や参入障壁といったことまで考えた上で、どこで戦うのかということだ。

そして、こうした戦略を決めた上で、戦術が必要になる。

戦術とは、実際に何をどのように戦うかということだ。具体的にどのような行動を起こしていくかということだ。例えばネットからの集客を例にとると、どういった広告を出すかとか、リストマーケティングをやるとか、ブログやSNSで集客をする。こうした部分のことだ。さらに、集めたお客にどのように商品をセールスするかということである。

戦術とは、営業トーク、販促プロモーション、広告宣伝、それに使われるチラシやDMなどのツールのことだ。つまり戦争で使われる弓矢や鉄砲のような武器と考えればいい。

こうした戦術面を工夫することで、一時的に儲かることができるかもしれないが、そもそもが儲からない場所で商売を行うことに無理があるので、ほどなく商売は悪化することになる。

戦略とはいかに戦わないかということ

戦略とはいかに戦わないかということ

ほとんどの中小企業や個人事業といった小さな会社の社長は、この戦略が解っていない。戦略が無く、戦術だけに目が行っている場合が多いのだ。

こうなると、より大きなライバルに圧倒され、ジリ貧になっていくことになる。

現代社会は、徹底的な資本主義社会である。資本主義社会の特徴は、自由競争社会であるということだ。自由というのは、とても耳障りの良い言葉だが、この自由競争社会ということを簡単に考えてはいけない。商売の世界は平等なスタートなど用意されていないからだ。ちっぽけな資本の個人が巨大な企業と戦わなければならない世界だということだ。しかも、商売の世界には正々堂々などというルールは存在しない。こちらが1人なのに、競争相手は1万人などということが当たり前のようにある世界である。

だから、通常は巨大な権力や巨大な資本を持った存在は勝ちやすく、小さな資本は圧倒的に負けやすいのは誰が考えてもわかるはずだ。競争相手となる企業というのは往々にして超巨大資本になる。超巨大資本と個人が戦った場合99.99%は、超巨大資本が個人に勝つことになる。

小さな会社が戦いを挑むということは、素手でゴジラに立ち向かうようなものだ。こうした、分かりきった結末から、いかに逃れるかが重要になる。小さな会社は、小さいがゆえに、いかに戦いを避けるかという点に、知恵を絞らなければならない。つまり、戦わずして勝つというのが最高の戦略になる。

【参考記事】:

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まず最初に戦わない戦略を求めよ

小さな会社の経営では、一番最初にこの戦略部分を決めることが必須である。

戦略を決めるとは、どの場所のどんなジャンルでどのように戦うかということだ。また、どのような顧客をターゲットにし、どのようにUSPを作り上げて、どこにポジショニングをとってOnly oneになっていくかということになる。

そして、さらにある程度市場が大きくなったら、その市場を喰いにくる大資本に対して、どのように戦いを避けるかを考えることである。

ここができて、初めて戦術を考えることができるのだ。

戦術部分とは、どのように見込客を集め、クロージングしさらに、リピートしてもらい、ファン客になってもらうのかといったことだ。ところが、こうした順番を踏まずに、いきなりSNSを使ったら儲かるんじゃないかと、取り組むから、的はずれな行動ばかりになり、時間ばかり取られて、失敗することになるのである。

商売の場所を間違えると、どれだけ頑張ったとしても苦労ばかりで儲かるようにはならない。残酷なようだが、これが小さな会社経営の真実である。

では、既に儲からない場所で商売を始めてしまっている場合はどうしたらいいのか。単純な話だが、さっさと儲かる場所に移動するしかない。ここで、今の場所でもうちょっと頑張ろうなどど、未練を残していては決してうまくいかないのである。

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