情報発信力が収入を左右する!小さな会社が生き残る方法

資格よりどんな生き方をして来たのかが大事

世の中が不安になったり、不景気になると、資格を取ろうとする人が増えてくる。こ不景気になると資格を取ろうとする人が増えるが、資格取得が直接収入増につながるとは限らない。資格は仕事の条件を満たすためのものであり、稼げるかどうかは別の要素が決める。むしろ、重要なのは「どんな経験を積んできたか」と「それをどう伝えるか」だ。小さな会社の経営では、情報発信力こそが収益を生むカギとなる。資格よりもまず、自分の強みを発信する力を磨くことが成功への近道となる。(内田遊雲)

profile:
内田游雲(うちだ ゆううん)

ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めてスモールビジネス経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「運の研究-洩天機-」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)

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不景気になると、なぜか資格を取ろうとする人が一気に増える傾向がある。
これは、
「資格があれば将来の不安を解消できるのではないか」
「何か手に職があれば収入が安定するのではないか」
と考えるからだろう。

資格を取る人が増える理由

小さな会社を経営している人の中にも、業績が伸び悩むと
「新しい資格を取って新事業を始めようか」
と思い立つことが少なくない。

実際、資格には一定の価値がある。
例えば、行政書士や宅地建物取引士などのように、取得しないと業務そのものができないものもある。
しかし、だからといって資格さえあれば高収入が保証されるわけではない。
実務に生かさなければ、ただの紙切れでしかないのが現実である。

そもそも、
「資格を取ったら金が稼げる」
「就職に有利になる」
というイメージは、必ずしも正しくない。
大学を出たからといって誰もが大企業に入れるわけではないのと同じで、資格を取っただけでは大したアドバンテージにならない場合が多い。
「資格がある人なんて世の中にいっぱいいる」
という現実を知ることが大切だ。

確かに資格を取ろうと勉強する過程で得られる知識は有益である。
ただ、不景気だからとか、将来に漠然とした不安があるからといって、とりあえず資格の勉強を始めるのは得策とはいえない。
時間もお金もかかるうえ、必ずしも高いリターンが見込めるとは限らないからだ。
小さな会社を経営しているならば、むしろ自社の強みをいかに伸ばし、それをどう世の中に伝えるかを考えるほうが実益につながる可能性が高い。

資格が収入に直結しない現実

資格はスタートラインに立つための証明であって、それ自体が直接的に収入を増やすわけではない。
世の中には数多くの資格が存在するが、その多くが、
「資格がなければ業務を行えない」
という制限をクリアするためのものにすぎない。
実際に稼げるかどうかは、まったく別の話である。

たとえば、調理師免許がなければ大々的に飲食店を構えることは難しいかもしれないが、免許を持っていても繁盛店になる保証はどこにもない。
味が悪ければリピーターはつかないし、集客の仕組みを整えなければ客は来ない。
つまり、資格とは最低限の要件を満たしているに過ぎないということだ。

私自身も運転免許、調理師、建築士、教員免許、宅地建物取引主任者、断熱施工資格、行政書士、損害保険の上級資格など、さまざまな資格を取得してきた。
しかし、それらが直接的に大きな収入アップにつながった経験はほとんどない。
むしろ大事なのは、そうした資格をどう活用して顧客に価値を提供し、どうやって魅力を伝えるかである。

資格を持っていなくても成功する経営者は多い

小さな会社の経営では、資格だけに頼ってもうまくいかないケースが多い。
資格取得に充てる時間を、顧客へのサービス向上や宣伝活動に回したほうがはるかに効果的なこともある。
資格がなくても問題なく提供できる価値があるのなら、そちらを磨くべきだろう。

実際、資格を持っていない人でも成功している経営者は数え切れないほどいる。
彼らは、
「強みを明確にし、それを必要とする人に的確に届ける」
ことに長けている。
逆に資格を山ほど持っていても、
「自分のビジネスをどうアピールすればよいのか」「何を強みにすれば差別化できるのか」
がわからない状態では、いつまでたっても収入アップは期待できない。

経験こそが起業で生きる強み

起業や小さな会社の経営においては、資格の有無よりも
「どんな経験をしてきたか」
が大きくモノをいう。
どれだけ資格を並べても、それが顧客にとって魅力的な価値として伝わらなければ意味がない。
むしろ、
「この業界で長年やってきた」
「試行錯誤を繰り返した結果、こういうノウハウを得た」
という経験のほうがはるかに説得力を持つ場合が多い。

たとえば、パソコン関連の資格をまったく持たない人でも、独学でウェブ制作を学び、顧客のサイトをいくつも手がけて成功実績を積んだという話を聞けば、
「この人は実力がありそうだ」
と感じるだろう。
資格という外側の評価より、実際にやってみた成果が具体的に示されるほうが、よほど信用につながりやすいのだ。

小さな会社を経営していると、どうしても、
「自分に足りないもの」
を資格で補おうと考えることがある。
しかし、やるべきは
「自分(あるいは自社)がどんな強みを持っていて、それをどう活かすか」
を見極めることだ。言い換えれば、
「自分たちはこれまでどんな経験を積み上げてきたか」
を洗い出し、そこからビジネスとして発信できる要素を探すのである。

実際、起業に必要なのは、
「自信」

「顧客が望む価値を提供する力」
である。
資格がなくても仕事はできるが、実務経験がないと顧客の信頼は得にくい。
だからこそ、
「資格を取らなくても得られる経験」
に注目したほうが、経営者としては成果が出やすい。
失敗や成功を繰り返す中で得たノウハウやスキルは、何よりも貴重な財産になるからだ。

情報発信力が収入を生むカギ

「情報発信」
というと、大企業の広告宣伝やPR活動をイメージするかもしれないが、小さな会社にこそ効果的な情報発信が求められる。
SNSやブログ、YouTubeなど、今や無料または低コストで始められるツールが充実している時代だ。
これらをうまく活用すれば、大企業と同じ土俵で戦わずとも、自分の得意分野や独自の世界観を大勢に届けられる。

特に、
「情報発信力」
が必要なのは、
「見込客」
をいかに集めるかがビジネスの根幹だからだ。
例えば、自社の飲食店で作っているオリジナルメニューや調理工程の裏話をSNSで発信し続けることで、
「面白そうな店だ」
「実際に食べてみたい」
と興味を持つ人が増えるかもしれない。
資格があろうがなかろうが、顧客の関心を引き、足を運んでもらったり問い合わせをもらったりするには、
「どう発信するか」
が大事になる。

情報発信力は小さな会社を最大限活かす武器

また、情報発信力は、
「自分の価値観や考え方を伝え、共感してもらう」
力でもある。
単に商品の特徴やメリットを並べるだけでなく、
「なぜそれを作ろうと思ったのか」
「どんな失敗を経て完成させたのか」
といったストーリーを発信すると、読んでいる人がぐっと興味を持ちやすくなる。
そこから、
「この人のファンになりたい」
「この会社の新商品を試してみたい」
といった感情が生まれ、収入増にもつながっていく。

資格だけでは生まれにくい
「人間らしさ」

「ストーリー性」
を発信することができれば、小さな会社でも大きな注目を集めることは十分可能だ。
むしろ、大企業よりもフットワークが軽い分、個性的で魅力的な情報をどんどん発信していけるだろう。
情報発信力とは、そうした小回りの利く動きを最大限に活かすための武器なのである。

情報発信力がビジネスを伸ばす

ビジネスの本質は、見込客を集めてファンにし、最終的にはリピーターになってもらうことである。
そのためには、まず
「自社の存在」

「自社が提供できる価値」
を知ってもらう必要がある。
大企業のように巨額の広告費を投じられない小さな会社こそ、SNSやブログを活用した情報発信が重要になる。

例えば、経営者本人が自分の経験や失敗談、または商品の作り方やサービスのこだわりポイントを発信し続けることで、興味を持った人々がフォロワーや読者として集まる。
そこから
「この人、面白い」
「この会社、信用できそう」
と思ってもらえば、商品やサービスの宣伝も自然に受け入れられる。
結果として売上や利益が伸び、さらには口コミを通じて新たなファンやパートナーが増えていくという好循環が生まれる。

ここで改めて資格の話に戻るが、資格はあくまでも、
「やるべき仕事をするための最低限の許可証」
にすぎない場合が多い。
実際にビジネスを伸ばすのは、
「お客が求めるものを提供し、それを多くの人に知ってもらう」
行為である。
もし資格が必要なのであれば、経営上の戦略として必要最小限のものを取得すれば十分だ。
むしろ、資格取得にばかり目を向けるよりも、情報発信や商品開発、サービス向上などに力を入れたほうが、はるかに成果が出やすいはずだ。

最終的に収入を増やすためには、資格よりも
「自分が持っている強み」

「それを世の中に届ける技術」
を磨くことが先決である。
そのための具体的な手段として、SNSを使ったブランディングやブログでのノウハウ公開、YouTubeでの動画コンテンツ作成などが挙げられる。
これらを駆使して
「見込客が興味を持つ情報」
を発信し続ければ、会社の知名度は少しずつ上がり、収入アップにつながっていく。

総括するならば経営で成功したいと願うならば、
「情報発信」
を軸にビジネスを展開すべきだということだ。
資格があっても情報発信力がないままでは顧客に届かず、結果は出にくい。
一方で、資格がなくても情報発信を活かして自社の魅力を最大限にアピールできれば、十分に勝ち目はある。
特に小さな会社は経営者自身のカラーがダイレクトに反映されやすいぶん、個性やアイデアが光る余地は大きい。

「資格を取るよりも情報発信力を磨け」
とは、そうした経営の本質を端的に示す言葉である。
自分の経験や強みを磨き、それをわかりやすく伝える力こそが、収入やビジネスの拡大を左右する。
これから先、不景気や市場の変動に右往左往するよりも、まずは
「自分が何を伝えたいのか」
「顧客が何を求めているのか」
を徹底的に考えてほしい。
そして、それをもとに情報を発信し続けることで、小さな会社でも大きな飛躍のチャンスが生まれるだろう。

小さな会社の経営者や、これから起業を考えている人こそ、自らの経験を存分に活かしてほしい。
資格の肩書だけでは伝わらない
「人間らしさ」

「熱意」
が、最終的にファンを作り、ビジネスを成長させる原動力になる。
情報発信を恐れずにチャレンジし、あなたの強みやストーリーを世界に向けて発信していってほしい。
きっとその先には、資格だけでは得られない新たな可能性が広がっている。

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