誰もが自分は他より秀でていたいと思っている

他人と比べる愚に気づけば劣等感は消えていく

人間は誰もが、群居衝動によって、孤独ではいられず、集団になろうとする。しかし、集団で暮らしていると、その中で他人と自分を比較し、優劣が生まれてくることになる。これが、長い間に本能的衝動として、「自分は他より秀でたい」という衝動が人に根付いたのだ。これが、人間がたとえ誰であっても、自分は重要な人物であると思いたがる理由である(内田游雲)

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内田游雲(うちだ ゆううん)

ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めてスモールビジネス経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「運の研究-洩天機-」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)

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人の心の中には、大まかに言って5つの本能的衝動が存在する。
これが、自分の意志とは関係なく、突き動かされる衝動となって、行動へと駆り立てているのだ。

この記事では、3つ目の衝動である優越の衝動についてだ。

第三の本能的衝動優越の感情

第三の本能的衝動とは、
「自分は他より秀でたい」
という衝動である。

自分の存在意義を自分で確認することである。
これは、自己重要感と呼ばれる。

人間は誰もが、群居衝動によって、孤独ではいられず、集団になろうとする。しかし、集団で暮らしていると、その中で他人と自分を比較し、優劣が生まれてくることになる。

当然であるが、集団の中で優れたものがいい思いをする。多くの食べ物を手に入れたり、多くの雌を従えたり、多くのオスに言い寄られたりといったとだ。

こうなると、誰もが自分は、優位に立ちたいと思うようになっていく。

これが、長い間に本能的衝動として
「自分は他より秀でたい」
という優越の衝動が人に根付いたのだ。

競争し優越の快感を味わいたい

これが、人間がたとえ誰であっても、自分は重要な人物であると思いたがる理由である。それが故に、人は他人と競争し、それに勝って、優越の快感を味わいたがる。

こうして自由主義の社会では競争が生まれるのだ。
しかし、全員が勝てるわけではない。
殆どの場合、勝者には成れないのだ。

そして、人はこの優越感を得られず、自己劣等感を意識下で増やし続けることになっていく。さらに、これをなんとか打ち消そうとして、無意識に大げさに自慢をし、自分より優れた者を引きずり下ろそうと考えるのだ。

自己劣等の感覚は全ての人が抱える衝動

現代社会においてこの自己劣等の感覚は、自由主義社会において全ての人が抱えている衝動である。

ここで覚えておくべきことは、全員が勝とうと思っているわけであり、誰も自己劣等の衝動を癒してくれない。だからこそ、ここに大きな価値が生まれてくるという点だ。

全ての人間は誰しも劣等感を持って生きている。どんな優れた人間でも、どこかしら劣等感を持っている。これは、集団の中にいる限り必ずそうなってしまうのだ。

人は生まれながらに劣等感を抱く

現代の人間は、生まれながらにして、集団の中にいる。
この最初の集団とは家族である。

家族の中でも兄弟姉妹や親子、さらには親戚まで含んだ集団があり、そして、成長に従って幼稚園や保育園、小学校、中学校といった集団の中で生きることを強いられていく。

これらの集団の中では、おのずと、力の優劣があり、それは、勉強ができるとか、スポーツができるだけでなく、容姿や家庭環境まで比べられて生きていく。

現代社会においてこの自己劣等の感覚は、全ての人が強く抱えている衝動でもあるのだ。

その結果として、すべての人間が、劣等感をいくつも上塗りされ、自分自身の存在意義に対して疑問を持つことになってしまう。

「私は、生きていていいのだろうか?」
「私が生まれてきた意味は有るのだろうか?」

こうした感情を持つようになっていく。つまり、自己重要感の不足である。
自己重要感とは、自分が必要とされている感覚だ。

自己重要感が否定されると、自分の存在意義そのものが信じられなくなっていく。これは、非常に危険な状態で、この状態が続くと、空虚感が広がり、生きていることにさえ疑問を持ち始める。

自殺の最初の原因の多くが、ここに根ざしている。

他人と比較することは無意味

しかし一旦、他人と比べる愚に気がつけば、劣等感は自ずと消えていく。そもそも、完全で最高の人間は存在しない。そして、すべての人が、誰かと比べて必ず劣等感を抱いているものだ。

だから、他人と比較することなどは、全く無意味である。
自分より上の人間は、数多くいるし、下の人間も数多くいる。

比較することの愚かさに気づいて、自分の存在意義を自分の中に見つけ出すことで、劣等感が消えていく。
そうすれば、行動に自信が生まれ未来すらも変わってくるのだ。

自信は他信を引き寄せ他信は自信を拡大する

自信とは、読んで字のごとく、自分を信じる事だ。つまり、自分の力をどれだけ信じているかであって、客観的要素などではない。自信とは、どこまで行っても主観的なものである。

私の好きな言葉に
「自信は他信を引き寄せ、他信は自信を拡大する」
というのがある。

これは、自信について明確に表現された言葉で、まずは、自分を信じれば、他人が信じてくれる。そうすればますます自信がつく。こういうサイクルがあるということだ。

では、最初の自信はどうすればいいのかだが、これは、思い込むしかない。つまり、根拠は無いけれども、「私はすごい」と心底思えるかどうかにかかっているのだ。

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