格差社会の到来とブティック化の波

個人専門店(ブティック)化が時代の最先端

今の時代は、あらゆる業種で個人専門店(ブティック)化の流れが起き、1970年代の高度成長期に潰されていった個人専門店(ブティック)化が、ここへきて時代の最先端ということになっている。判りやすく表現するならば、市場が細分化されオタク化しているということだ。こうした社会では、100人のファンがいれば、小さな会社は十分に儲かるようになる。もし、あなたの会社がこれまでに100人以上のお客と取引があっても、あまり儲かっていないなら、それは、そのビジネスモデルが既に時代から外れてしまっていることを示している。(内田游雲)

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内田游雲(うちだ ゆううん)

ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めてスモールビジネス経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「運の研究-洩天機-」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)

格差が広がっていく時代

現在の日本は一部の少数にのみ富が集中していき、それ以外の人の所得はほとんど上がっていかない状態だ。

もちろんこれは日本に限ったことではない。世界中の民主主義国家全てにおいて見られる現象である。つまり、資本主義であり自由主義を標榜する国家は、どうしてこうした傾向が強くならざるを得ない。これは、資本(つまり金)が大きくなるほど、その力が大きくなり、持つものと持たざるものとの格差が広がっていくからだ。

それがいいか悪いかは、ここでは論じないが、生活費などの必要な経費はますます上昇をしていき、普通の人の可処分所得は減っていっていくので、これまで買えたものが買えなくなってしまっている。有り体に言えば、大多数の日本人が貧乏になっていっているということである。

そうなると、消費者は、余計なもの(自分が本当に欲しいと思ったもの以外)を一切買わないという、消費姿勢にシフトしていかざるを得ない。

こうした格差社会では、高級レストランの売上げは落ちなくとも、格安居酒屋の売り上げは、むしろガタガタになっている。つまり、ワタミで一杯やるくらいなら家でコンビニで買ってきた発泡酒を飲むし、その分無駄な外食を控え節約をし、月に一回高級フレンチを夫婦で楽しむ。こんな感じのライフスタイルがかなり確立しているのである。
これが、現代の一般的な消費動向になっている。

所得ピラミッドから見る問題点

ここで、注意しなければいけないことがある。高級店が流行るからといって、地方で闇雲に超高級レストランをやっても失敗する。なぜなら東京ほど、地方の消費単価は高くないからだ。

基本的に所得の層はピラミッド型をしている。下のほうが広く、上に行くほど狭くなる。東京はこのピラミッド全体が大きく、地方に行くほど、このピラミッドが小さくなっている。

だから、東京と同じ超高級を狙うと、その層が地方では誰もいないということになってしまう。(東京から人を呼べれば別だが。)
格差社会というのは、じつは都会と地方といった地域間格差でもあるのだ。
これは、東京一極集中を解消できなかった政府の失敗によるものだ。

所得の階層は下が広く上が狭いピラミッド型

それだけではない。日本は、格差の問題だけではなく、ここ数年で世の中が大きく変化している。
どのように変わったかというと、まず、これまでのやりかたでは、商品が売れなくなったことが挙げられる。それは、市場がコアコミュニティ型に変化したためだ。

ここ10年で、話題になったものを思い浮かべてみると見えてくるものがある。Twitter、facebook、line、地下アイドル、モンハン、ポケモンGO・・・。これらすべてに共通するのが、コアなコミュニティーをその中心にしていることだ。

判りやすく表現するならば、市場が細分化されオタク化しているということである。現代の日本は、このコミュニティごとに格差が生じている社会でもあるのだ。

そしてポイントは、このコアが小さなコミュニティだということだ。つまり、小さな塊が、世の中のあちこちにできていて、それが繋がって大きく動いているように見えているのである。要するに、今の世界は、コアコミュニティの集合でできているのだ。

ここが、見えないと、今後の小さな会社の経営はうまくいかなくなる。

個人をブランド化できるかが鍵

とにかく、ただ頑張って商品を売るだけだと、どんなに工夫しても売れない。それはお客が、商品自体にほとんど価値を感じなくなっているからだ。これは、お客自身もあまり理解していないし、意識していない。
お客が、なんとなく感じているのは、商品の価値ではなく、誰から買いたいかということだ。

あるいは、金を使うことで、その小さなコミュニティーに所属したいという動機である。だから、どれだけ金をかけて販売テクニックを駆使しても、商品が売れなくなっているのだ。お客が本当に求めているのは、商品というものではなく、コミュニティという場なのである。

では、この時代に最も適している売り方は何かというと、商品を売るのではなく、あなたをブランド化して売ることだ。
今の時代は、情報発信が簡単なため、あなたの生き様や、思想にお客が魅かれて集まってくる。そこに共感した人が、あなたとの密な関係で商品を買うようになっていく。
これが現代における商売の構図である。

その意味ではあらゆる業種で個人専門店(ブティック)化が起き。1970年代の高度成長期に潰されていった個人専門店(ブティック)化が、ここへきて時代の最先端ということになっている。

ただし、いかに高付加価値をつけられるか、という視点を持たない限りどのような業種であっても生き残りは不可能な時代だ。商品が売れないから、値下げしてお客を呼ぼうとすると確実に潰れる。
本来、少量少品種、高付加価値商品が得意な小さな会社だからこそ、大いにチャンスがあるのだ。

100人の熱烈なファンを作ろう

これからの時代は、100人のファンがいれば、小さな会社であれば十分に儲かり利益が出る。
その利益を「r>g」という資本主義のパワーで増やせば、誰であってもそこそこの金持ちになることができる。

もし、あなたの会社がこれまでに100人以上のお客と取引があっても、あまり儲かっていないなら、それは、そのビジネスモデルが時代から外れてしまっていることを示している。

現在、ビジネスをやっていて、売上が横ばいや、やや下がっている。そんな場合はビジネスが時代からずれてきているので、早急に対応する必要がある。早めに、時代に合わせるようにしたほうがいい。しっかり時代に合わせないと、どんどん変化に置いていかれることになる。

こうした変化に対応するのが「気の経営」という経営の考え方になる。
世の中の流れを観察し、法則に乗っかりお金の流れている場所でコアな商売をれば、小手先のマーケティングをやるよりもよほど金持ちになることができる。
これが「気の経営」の考え方である。

私は現在、気の経営を実践するためのコンサルティングを行い指導をしている。
対象は、小さな会社の経営者だ。法人であっても、個人事業者でもかまわないが、ビジネスに前向きに取り組んでいる方で悩んでいる方は、ぜひ参加を検討してみてほしい。

内田游雲の発行する【気の経営-メルマガ編-】(無料)はこちらから

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