仕事というのは、人生の最も多くの時間を占めているものだ。だから、人生を豊かに生きていきたいのであれば、仕事を道楽化することだ。そのためには、雇われんではなく自分で起業し小さな会社を経営することだ。雇われるだけの人生の危険性を自覚して、自らの足で人生を切り開いていくべきである。そのほうが、たとえ不安定でも充実した人生が歩めるものである。起業して仕事を道楽化し、小さな会社で稼ぐことには、こうした可能性が広がっている。(内田游雲)
profile:内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。中小企業や個人事業等の小さな会社のコンサルティングを中心に行う。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的コンサルティングには定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めて経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「洩天機-運の研究」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)
起業して小さな会社を作ればいい
今の時代に、「豊かになろう!」 そう思うのであれば、まず時間の切り売りをやめて、起業し事業家になることである。
現代の資本主義では「成功した事業家」が資本主義の覇者になる近道である。そう考えると、成功したいすべての人は事業家になるべきであるというのが正しい。 何も持たない人間が巨額の冨を得るには、起業をして事業家になるのが王道なのである。
しかし、起業したら誰でも成功できるというわけではない。むしろ起業して成功する確率はとても低いと考えた方がいい。たとえ起業できたからといっても、成功できるかどうかは別の話なのである。
基本的に、起業者の90%は成功しない。さらに成功者と言われるほどの成功ができる人は、0.01%くらいだろう。99.99%は、資本主義の社会では、成功者にはなれないのだ。
ところが、起業は成功しにくいが、失敗はしやすい。特に、事業を興すのに借金をしていた人は、失敗した時点で努力していた時間を失った上に、多額の借金を抱えることになる。資本主義社会の成功者どころか、失敗者としてどん底に転がり落ちることすらもあり得るのだ。つまり、起業というのは、それほど難しい世界であるということだ。
そうかといって、雇われ生活を続けたとしても、いいことは何もない。資本主義社会における全ての企業の基本的姿勢は、「人件費を削減してもっと利益を上げたい」ということである。
こうした基本の考え方の結論として、賃金の安い国に工場を建てるというグローバル化が推進され、それが危うくなると、多文化共生という怪しげなキャッチフレーズの中、賃金の安い国から労働者を連れてくる事が進められている。その結果、人件費を押し下げる力ばかりが増大しているのである。つまり、雇われ生活をしていたのでは、時間とともに貧しくなっていくだけなのである。
しかし、資本主義社会の成功者となろうとしなければ、つまりそこそこでいいので豊かになれればいいと考えるならば、起業のハードルは一気に下がることになる。
会社が潰れる原因の多くが、会社を大きくしようとして、より強者との競合で負けるからである。だったら、競争にならないように小さな会社のままとどめて、競争にならないいようにすればいいだけなのだ。どれだけ全国的な飲食チェーンが近くにできても、腕一本でファンを掴んでいる小さな飲食店が潰れることはない。それでいて、雇われ生活者の数倍の収入は手に入れている。やり方を間違わなければ、小さな会社は十分に旨味がある。
人生を豊かに生きていきたいのであれば、起業して小さな会社を作ればいいのである。
仕事を道楽にしよう
しかし、起業をしたほうがいいと解っているけど行動できない人が多い。
「何をして良いかわからない!」
「何からはじめればいいかわからない!」
この状態で止まってしまう人がほとんどである。
「何をすればいいのか?」
この問題に対する答えは簡単だ。
とりあえず、
「あなたの好きなことを仕事にすればいい」
ということだ。
私たちはなぜか、好きなことを仕事にはできないと勝手に思い込んでいる。世の中、そんなに甘くはないだろうとと勝手に思い込んでいるのだ。
「好きなことを仕事にしよう」
起業セミナーなどで、この話をすると、大抵次のような返事が返ってくる。
「そんな、夢のようなことで生きていけるわけないだろう!」
しかし、これは行動できない言い訳でしか無い。そもそも、嫌々やっている仕事などは、身が入らないのだから、上手くいくわけがないのだ。仕事をする上で、もっとも中心に置くべきことは、時間を忘れるほど仕事を好きになり仕事が道楽という生き方にすることだ。
そこまでいかなくても、せめて仕事を楽しいと思えようにすべきである。
さらに、金を一旦横において考えるならば、仕事を道楽にしている人は幸福である。
「あなたは、やりたいことをやっているか?」
この質問に、すぐ
「はい!」
と答えられる人は、とても幸せな人生を送っている人なのだ。
ほとんどの人の人生の時間の多くは、仕事と共にある。仮に一日に八時間働くとすると、単純に考えれば、人生の三分の一の時間を仕事に費やすことになる。この大事な時間を、自分の道楽として仕事にできたら、自分の好きなことを仕事にできたら、それだけで、その人の人生は大成功といっていい。
しかし、そんなこといっても
「好きなことをして食べていけるわけがない」
こう思われる人もいるだろう。しかし、それも完全に洗脳されている状態である。むしろ仕事が好き道楽になっていれば、食べていきやすいし、豊かになりやすいのだ。
どれだけ、良いビジネスを立ち上げても、どれだけ好きな仕事に就いたとしても、必ず多くの困難に見舞われることになる。どんなに準備をしても、勉強をしても、どのみち困難には遭遇するのだ。その時に、その困難に立ち向かえるだけの情熱があるかどうかが、仕事を成功させる鍵なのである。
仕事が好きであれば、困難を乗り越えることができるし、継続することができる。好きであればあるほど、その仕事に情熱を 注ぐことができるものなのだ。
自分の人生を諦めていないか
しかし、残念なことに、多くの人が 苦しんで仕事をしている。仕事を、ただ生活の糧を得るための方便だと諦めている。そして、毎月もらう給料は、我慢料だと言い聞かせているのだ。その我慢が報われるのであればまだいいが、それは決して報われないどころか、むしろあなたを転げ落としていくことなのである。
あなたは、何のために働いているのだろうか。もちろん生活のため、請求書の支払いをするために働いているのは間違い無いだろう。しかし、それは、あくまで表面上の話にしか過ぎない。
あなたが仕事をするのは、たとえば誰かからの反応や賞賛が欲しいのか?
自分のため、自分の理想を満足させるためなのか?
こうしたことを一度考えてみて欲しいのだ。仕事の内容や地位、職歴がどうであれ、自分の満足のために働いていることを確認して欲しいのである。仕事というのは、人生の最も多くの時間を占めているものだ。それが、ただ生活のため、請求書の支払いをするためでは、苦しくなるばかりである。
もちろん、それは必要なことだろう。しかし、働くことの本質とは何かを常に中心に置いておいて欲しいのである。そうでないと、人生が、搾取されるだけのものに なってしまいかねないのだ。
現代の日本では、 多くの人が、仕方がないから、あるいは、他に何もできないから 会社に勤めている状態である。その仕事が好きであれば、まだいいのだが、生活のために我慢をして、低賃金で搾取され続けている人生である。
人生の中で仕事をしている時間は 、三分の一にもなる。これだけの時間を我慢と 苦痛の中に置くことは、はたして本当に幸せなことなのだろうか。そうではなくて、自分のやりたいこと、得意なこと、そして、人生の目的を小さな会社を起業して仕事にできたら、その人の人生は より輝いていくはずだ。
もちろん、人生における成功とは、年収の高さや資産の大きさをいうのではない。限りある時間を、どれだけ満足して生きているかということにある。
あなたが、
「豊かになろう!」
そう思うのであれば、まず雇われることで時間を切り売りすることを止めて、自分の足で立って起業するしかない。そうすることで、たとえ不安定でも充実した人生が歩めるものである。
だから、雇われるだけの人生の危険性を自覚して、自らの足で人生を切り開いていくべきである。起業して仕事を道楽化し、小さな会社で稼ぐことには、こうした可能性が広がっているのだ。