大事にするべきお客とは誰のことなのか

大事なお客は「依怙贔屓(えこひいき)」しなければならない。これが、小さな会社が押さえておくべき経営の鉄則だ。大事なお客とは、ここ最近の一定期間内(1年間)で、多く支払った顧客のことだ。この顧客を大事にできるかどうかであなたの会社の趨勢が決まる。ここが、小さな会社がやるべき経営の基礎の基礎となるのだ。(内田游雲)

profile:
内田游雲(うちだ ゆううん)

ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めてスモールビジネス経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「運の研究-洩天機-」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)

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下記の記事でも説明したように、大事なお客は「依怙贔屓(えこひいき)」しなければならない。これが、小さな会社が押さえておくべき経営の鉄則だ。

【参考記事】:

常連客だからと依怙贔屓しない

では、実際問題として誰を依怙贔屓(えこひいき)すればいいのだろうか。
基本的には。常連客を依怙贔屓(えこひいき)するのだが、そうはいっても単純に
「いつも利用してくれているから」
という理由で、その顧客を依怙贔屓(えこひいき)してはいけないのだ。

いくら利用回数が多くても、あなたの会社やお店に貢献していない顧客もいる。
こうした顧客は、依怙贔屓(えこひいき)してはいけない。多くの場合、常連客というと、頻繁に利用している顧客ということになる。
しかし、利用回数が多いからと言って、それは大事な顧客ということではないのだ。

大事な顧客とは誰のことか

仮に、あなたが居酒屋を経営していたとする。
そこに、毎日毎日、飲みに来てくれる顧客がいる。当然、店員とも顔なじみになっているだろう。

では、この顧客は、大事な顧客だろうか。
一般的には、そうなるが、ただ条件が付く。
その条件とは、普通に飲んで食べてくれればということだ。

じつは、この顧客は、生ビールを1杯だけしか飲んでいかない。
なぜなら、通常500円~600円する生ビールを、あなたのお店では、最初の1杯だけ200円で売っているからだ。
客引き用として、意図的に、最初の1杯だけは、周りの店より安くしているのだ。

「大事な顧客」を判断するのは累計売上高

この顧客は、あなたの店に魅力を感じているのではなく、ただ単に生ビールが安いから利用しているだけである。
試しに、明日から1杯目の生ビールも定価に戻してみればいい。
この顧客は、近くの300円で生ビールが飲める店に確実に浮気するのだ。

回数だけだと年間365回、しかしこの顧客が、大事な顧客だと言えるだろうか。
利用回数が多いからといって、それだけで「大事な顧客」とは判断できないのだ。

累計売上高が高い順に贔屓する

では、1回あたりの購買金額が大きい顧客が、大事なのかと言えばそうでもない。
いくら1回あたりの購買金額が大きくても、その顧客が、そのとき1回きりだったり、数年に1回程度の顧客であれば、やはり貢献度は低くなる。

重要なのは、その顧客の累計売上高なのだ。
つまり、あなたのお店や会社に、累計でたくさん金を落している顧客が「大事な顧客」になるのだ。

ところが10年前に累計で100万円を使ってくれた顧客が大事かというと、それもまた違う。
それよりも、昨日来てくれた、10万円の顧客の方が大事になるだろう。
いくら累計でたくさんお金を落してくれた顧客でも、その顧客が最近ほとんど利用していないようであれば、今は、大事な顧客ではなくなっているのだ。
つまり、ここ最近の一定期間内(1年間)で、多く支払った顧客が大事な顧客ということになる。

この顧客を大事にできるかどうかであなたの会社の趨勢が決まる。
その為にも、まずは顧客個々の、年間売上ランキング表を作ることだ。
よく、営業成績のグラフなどを貼ってある会社があるが、あのお客版だ。

まずは、年間累計売上金額の高い順に並べ直してランキング表を作って貼ってみるといい。こうして上位の顧客の情報を全員で共有して依怙贔屓(えこひいき)をしていく。

ここが、小さな会社がやるべき経営の基礎の基礎となる。
とりあえず、すぐにでも、この年間累計売上表を作成するべきだ。

【参考記事】:

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