売上の構成要素は次の3つの数字から成り立つ。顧客数×購入回数×客単価=売上である。これが、ビジネスをやる上で、最も重要な基本中の基本の数式となる。日々のビジネスをこうした数字で解釈することが、たとえ小さな会社や個人事業の経営であっても重要なことなのである。小さな会社や個人事業において重要な戦略は顧客密着である。つまり最大限の力で顧客に寄り添うことが基本になっていく。こここそ小さな会社が、最初に取り組むことが必要な部分なのだ。(内田游雲)
profile:内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。中小企業や個人事業等の小さな会社のコンサルティングを中心に行う。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的コンサルティングには定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めて経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「洩天機-運の研究」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)
ビジネスの根幹となる売上方程式
ここでは、全てのビジネスの根幹とも言える「売上方程式」について解説しておく。特に小さな会社や個人事業の社長は必ず理解しておいたほうがいい。
まずは、ビジネスを考える上での数字の話だ。数字と言っても、貸借対照表や損益計算書のような、経理上の数字ではない。ビジネスを考える上での重要な数字についてだ。
最初として、まず売上とは何かということを確認しておく。
売上の構成要素は次の3つの数字から成り立つ。
(1)顧客数
顧客数とは購入してくれたお客の人数
(2)購買頻度
購買頻度とは、一定期間(通常は1年)に購入してくれる回数
(3)客単価
お客さんが1回に平均して購入してくれる額
この3つが売り上げの構成要素となる。
つまり売上とは?
顧客数×購入回数×客単価=売上
こうした掛け算で表すことができる。これを、売上方程式といって、全てのビジネスの最も中心にある数式となる。
売上方程式を使って年間で考える
この売上方程式は、私が考えた出したものではなく、アメリカでトップ5に入ると言われる経営コンサルタント、ジェイ・エイブラハムによるもので、彼の著書に紹介されている。
さて、売上高とは?
【 顧客数×購入回数×客単価=売上高 】
重要な事なので、是非、覚えておくといい。
言い方を変えるならば、これ以外に売上を構成する要素は存在しない。これが、ビジネスをやる上で、最も重要な基本中の基本の数式となる。
例えば、「100人のお客」が「年に平均10回」、「平均客単価が10,000円」だとする。
そうすると、
年間売上高=年間顧客数×年間平均購入回数×平均客単価
1年間の売上高は1000万円となる訳である。
つまり、全てのビジネスとは、この3つの掛け算としてなり立っているということだ。この3つの数字をまず把握することが、あなたの会社を繁盛させる第一歩となる。

売上方程式の構成要素について
ここで、もう一度各項目について詳しく説明しておく。
まず最初の顧客数だが、これは、絶対数だ。つまり、一人のお客が何度購入してくれたとしても、一人としかカウントしない。鈴木一郎さんというお得意さんのお客が、何度来店したとしても、鈴木一郎さんは一人としてカウントする。
さて問題は多くのお店や会社が、そもそも、こうした顧客数を把握できていない。延べの顧客者数は判っても、絶対数としての顧客数が把握できていないことがほとんどだ。ここが把握できているかどうかは、顧客リストが有るかどうかで判る。もちろん顧客リストが作成しにくい業種、たとえばラーメン屋などの飲食店は、こういった正確な数字を把握しにくいので、ある程度概算に頼るしかない。
次に確認するのは、平均客単価だ。
これは、売上高を延べ客数で割ったものである。これを正確に把握するには、お店などの場合には客数を常にカウントしてれば、自ずと計算することができる。
さて、そうなると問題は、(2)の購買頻度だ。
これは、売上を客単価と顧客数で割れば、簡単に出すことができる。しかし、絶対顧客数が判っていなければ、算出しようがない。つまり、顧客リストをしっかりと整備していないと、この数式を正確に運用することが出来ないということになってしまうのだ。そのために、まずは、顧客リストを作ることに一番最初に取り組むことが必要になる。
小さな会社や個人事業において重要な戦略は顧客密着である。つまり最大限の力で顧客に寄り添うことが基本になっていく。その重要な顧客のリストが無いということは、戦略そのものが立てられていないというでもある。あなたの会社に顧客リストがない場合には、まず、この作成を最優先にやるべきなのだ。
こうした、日々のビジネスをきちっと数字で解釈することが、たとえ中小企業や個人事業の経営であっても、とても重要なことになるのである。