天職への指標

天職に生きると言っても、はたして、今やっていることが、本当に天職につながっているかどうかの判断が、現実にはとても難しい。もし、天職への道からズレているようであれば、早めにすすむ方向を修正する必要がある。それには、自分の状態を観察して、エネルギーが増大しているかどうかを見れば、天職に沿って進んでいるのか、それとも道を外れてしまっているかがはっきりする。(内田游雲)

profile:内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。中小企業や個人事業等の小さな会社のコンサルティングを中心に行う。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的コンサルティングには定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めて経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「洩天機-運の研究」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)

天職の道は間違っていないだろうか

スモールビジネス戦略8つ目の理念は、「天職に生きる 」である。

しかし、天職に生きると言っても、はたして、今やっていることが、本当に天職につながっているかどうかの判断が、現実にはとても難しい。もし、天職への道からズレているようであれば、早めにすすむ方向を修正する必要がある。

ところが、今の自分の仕事や、歩んでいる道が正しい道なのかを判断することは、ほとんどの人ができないのだ。

どのように判断すればいいかというと、まず天職とは与えられた役割である。そして、自分の人生がこの役割に沿っていれば、人の生命エネルギーは増大していくことになる。

つまり、やる気が漲って、楽しくてたまらない状態になるはずなのだ。そこで、この自分の状態を観察して、エネルギーが増大しているかどうかを見れば、天職に沿って進んでいるのか、それとも道を外れてしまっているかがはっきりする。

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天職の道への指標を持とう

より具体的には、自分が天職に向かっているかどうかを見極める為に、次の指標を使ってみるといい。

その指標とは、

「お客の喜ぶ姿が
自分の喜びに感じられたとき、
それが自分の天職だと言える。」

ということだ。

これを公式に表すと、

 「お客の喜び」=「自分の喜び」

こうなる。

この公式は、進む方向に迷った時に、大きな指標となる。そしてまた、既にある程度、道が定まって進んでいる場合にも、重要なチェック項目のひとつになるものだ。

なぜなら、「お客の喜び」と「自分の喜び」が、意外とイコールになっていないことに、社長自身が気付かずにいるケースもあるからだ。

 「お客の喜び」≠「自分の喜び」

こういった状態である。

例えば、自分の理想や計画に囚われてしまうあまり、夢に対する情熱の注ぎ方を誤って、受け取り手のニーズを見失っている。

これはつまり、

「お客の喜び」<「自分の喜び」

こういった状態になっているということである。

そのような利己的で自己本位な取り組み方は、単なる夢の押し付け、「自分の喜び」だけに酔ってしまっている状態である。

また、その逆も考えられる、

例えば、自分にとってはさして苦手ではないことを、ただ責務として淡々とこなしているだけなので、お客に喜ばれても実感が湧かない場合だ。

もしくは、お客に喜ばれるため、自分の労力や時間を削って努力し頑張った末に、心身ともに疲れ果ててしまい、最終的には、不平・不満、文句、虚しさなどに苛まれてしまう場合である。

 「お客の喜び」>「自分の喜び」

こうした状態である。

これらは、「自分の喜び」が満たされていないケースといえる。

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天職への道の「途上」にある状態

じつは、多くの場合に、この2つに当てはまらないことも多い。

それが、まだ天職への道の「発展途上」であるという場合だ。

これも、無理矢理に公式に当てはめてみると、

 「お客の喜び」≦「自分の喜び」

こうした状態と言える。

「≦」の下側の小さなイコールは、輝かしい未来に向けての「発展的予測」である。現在の「≦」を「=」に引き上げるために、己の「発展」(成長)に 全力を注ぐ日々が、嬉しくて楽しくて幸せでたまらないという状態だ。

既に、ある方向へと足を踏み出してはいるものの、今はまだ、人に喜ばれるレベルではない。しかし、「お客の喜ぶ姿」を未来から先取りし、それを今、「自分の喜び」として、確信を持って実感できているという状態である。

そのようなある意味修行中ともいえる状態は、未来の「お客の喜ぶ姿」 が今の「自分のパワーの源」であり、「自分の心の支え」となっている。つまり、未来の姿がモチベーションになって修行しているということである。、もっとお客に喜んでもらいたい。そうした思いで仕事に向かっていく状態だ。

たとえ困難にぶつかっても、途中で諦める気にならないのは、この「心の支え」があるからで、ただただ、受け取り手に喜んで欲しい。ニーズに的確に応えられる実力をつけたい。その過程は至福の喜びである。

しかし、上手くなりたいというその思いが、単なる自己満足に基づくものでしかなかったら、ちょっとした壁にぶつかっても心が折れ、あっさりと挫けることになる。挫けないということは、「途上」にある状態と言っていい。

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人生には完成という状態がない

商売には、厳しく辛いことも少なからずあるが、この壁を超えれば また一歩、夢に近づけると思うと、凹んだ気持ちを奮い立たせることができる。

じつは、ほとんどの人が上記のような「途上」の状態である。なぜなら、人生には、完成という状態がないからだ。常に進歩を目指している以上、

「お客の喜び」≦「自分の喜び」

こうした状態に必ずなってしまうものなのだ。

あなたが、今、取り組んでいること、もしくは一歩踏み出すか迷われていることは、お客と自分の「喜び」がどのような状態だろうか?

「お客の喜び」=「自分の喜び」
   や
「お客の喜び」≦「自分の喜び」

そうであれば、あなたは、天職への道の上にいることになる。

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