「気の経営」の本質とは何か

会社の経営を通じて愛の伝道師になる

ビジネスを始めると、誰もが大きくすることに目的がいってしまう。その結果として、競争に巻き込まれてしまい、苦しい戦いを強いられ、心身をすり減らして、気がついたら何十年も無駄な人生を送ってきたことに気付くことになる。利益を求めることと、売上高を求めることは、似ているようで全く違うのだ。小さな会社のビジネスにおいて重要なのは競争ではなく人との繋がりなのである。(内田游雲)

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内田游雲(うちだ ゆううん)

ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めてスモールビジネス経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「運の研究-洩天機-」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)

気の経営の本質とは何か

「本当のビジネスとは何だろうか?」
「経営の本質とは何だろうか?」

いきなりな質問だが、多くの経営者の話を聞いていると、なんか、やはり少し違うのではないかという気がする。

まず、大きな間違いが、しっかりと利益を追求していないということだ。間違いなく言えることは、ビジネス経営の目的は利益の追求である。
これは誰もが知っているだろう。
しかしそれができていない。

なぜか多くの経営者が、利益を求めるのではなく、売上高をもとめたり、会社を大きくすることを求めるのである。これは、社会が競争をして争うことを暗に求めているために、洗脳されてしまっているからだ。

利益を求めることと、売上高を求めることは、似ているようで全く違うのだ。まして、会社の規模を大きくすることと、利益を求めるのは別のものである。しかい、多くの経営者がここを混同している。

競争が人生の目的なのか

大抵の経営者は、会社や事業を大きくすることが素晴らしいことだと洗脳されている。これは、子供時代から競争に勝つことが素晴らしいという価値観によるものだ。だから、ビジネスを始めると、とにかく大きくすることに目的がいってしまうのだ。

その結果として、競争に巻き込まれてしまい、苦しい戦いを強いられ、心身をすり減らして、気がついたら何十年も無駄な人生を送ってきたことに気付くことになる。

そもそも、競争が成り立つのはそれぞれの個体の力が拮抗しているときだけである。強者はできるだけ競争することを好むものだ。なぜなら、誰かが一方的に勝ち始めて無敵化すると、競争は完全に成り立たなくなっていく。勝者がすべての競争に勝つからだ。

重要なのは競争ではなく人との繋がり

そして、敗者がまったく何も持たなくなるまでそれが続く。圧倒的強者であればあるほど、競争が好きなのは、こうした理由が裏側にある。必ず勝てる戦いを仕掛けるのは他人が持っているものをすべて奪い取るためだ。

しかし、小さな会社のビジネスにおいて重要なのは競争ではなく人との繋がりである。小さな会社の利益のほとんどが、この繋がりの中で生まれてくる。
だから競争するのではなく、どれだけ繋がっていくかを重視したほうが上手くいくのである。

すべての人生には期限がある

誰の人生にも期限がある。私たちのこの人生とは、最初から期限付きなのだ。誰もが平等に、一分一秒、終わりに向かって爆進している。気がついたら、あっという間に、年老いてしまっている。そして、この過ぎていった時間は、もう二度と戻ってこないのだ。

これは、みんな知っていることだ。みんな解っている事である。では、あなたは、何のために生きているのかということだ。金を稼いで、豪華な家に住んで、贅沢なものを食べて、それで満足なのだろうか。

小さな会社の経営者は、ここを一度考えてみて欲しい。もちろん、これから起業しようと考えている人も同じだ。

通常の人は、一日の約1/3の時間を仕事に当てている。寝る時間や、食事の時間などの生きていく上で必要な時間を引くと、その大部分を仕事に費やしていることになる。つまり仕事をするということは、どのような人生を生きるかということと同じことなのだ。

だから、どのような仕事をするかが重要になる。
人生を素晴らしいものにできるかどうかは、やりがいのある仕事をするかどうかにかかっている。

たった一回のきりの人生を「知命」し、仕事を「天命」と信じる。そして、自分の「使命」とは、いったい何かをしっかりと把握して「立命」する。これこそが、経営をする本当の意味だ。

経営の本質とは愛である

あなたが会社を経営するということは、多くの人との出会いがある崇高な仕事である。ビジネスというのは、お客の欲する時に、欲するものを売ることだ。お客を満足させ幸福にさせる崇高な愛の仕事なのである。

そもそも、すべてのお客は、とても寂しいのだ。欲しいものや必要なものが手に入らなければ、幸福を味わうことができない。あなたが提供しなければ、その寂しさは癒されない。お客様の寂しさを満足させることが仕事なのだ。

ビジネスをすることとは、言い換えれば愛の仕事なのである。下手な宗教家なんかよりも、立派な愛の仕事をしてるのだ。

あなたのビジネスを自分の使命として、
一生の仕事として人生を全うできるかどうか?
ビジネス経営は、一重にここを意識できるかどうかにかかっているのである。

実際のところ、マーケティングのテクニックや、多くの手法などは、枝葉末梢にすぎない。だからそんなものは、実際には無くたって大丈夫だ。もちろん、あればそれにこしたことはないが、それに頼ってはダメなのである。

お客は嘘を必ず見抜く

どんなに上手に売ったとしても、お客はちゃんと嘘を見抜く。そして、だまされたと知ると敵に回ってしまう。それよりも、その心根の根本にお客への愛があれば、それはちゃんと伝わるのだ。

お客をただ利益の対象と考えて

「あのお客からはいくら儲かるか? 」
「このお客からはいくら儲かるか?」

そんなことしか考えないのであれば、なんという、哀しい仕事だろう。そんなものは一生を貫く仕事ではない。会社を経営をするということは、そんなものではないはずだ。
なぜならビジネスは、お客にあなたの愛を伝える仕事なのだから。

小さな会社の経営で目指すことは、単に金を稼ぐことではない。
どうやって、生涯にわたって、あなたとあなたの会社を支持してくれる、そうしたお客を作り出すかということにある。
「会社やお店の経営を通じて愛の伝道師になること」
これが、私が伝えたい「気の経営」の根本部分なのである。

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