お金のマインドを変えれば売上も変わる!経営者が知るべき“因と縁”の法則

思考や感情、経験の蓄積が現実を作り出す

信念とは、思考や感情、経験の蓄積であり、私たちの現実を作り出す要因となる。多くの経営者が成長に苦しむのは、無意識にコンフォートゾーンにとどまり、挑戦を避ける信念を持っているからだ。変化を恐れ、「できない理由」を探す思考は、成功の機会を逃す要因となる。仏教の因縁論に基づき、望む結果を得るには、日々の思考や行動(因)を変え続けることが重要だ。信念をアップデートし、適切な選択を積み重ねることで、会社の成長と経営者自身の未来は大きく変わる。(内田游雲)

profile:
内田游雲(うちだ ゆううん)

ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めてスモールビジネス経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「運の研究-洩天機-」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)

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小さな会社を経営していると、
「もっと売上を伸ばしたいのに、なぜかうまくいかない」
そう思う瞬間がある。
だが、その“うまくいかない”背景には、経営者自身が抱える「信念」が影響している可能性が高い。

会社の未来は社長の信念で変わる

信念とは、思考や感情、そしてこれまでの経験や記憶が蓄積した結果の産物だ。
実は、世の中の出来事はすべて「原因と結果」の法則で動いている。
仏教の考え方では、原因を「因」、結果を「縁」と呼ぶ。
つまり、どんな選択や行動も自分の信念という“因”が土台となり、その土台から現実(縁)が生まれるというわけだ。
「自分はこれくらいの稼ぎで十分」
という頭がどこかにあれば、その思いが収益の上限を勝手に決めてしまう。
たとえ一時的に売上が伸びても、自分の中で
「大したことはできない」
という信念がくすぶっていると、無意識のうちに失敗を招くような選択をしてしまう。
たとえば、不要な投資をしたり、ムダな経費を使ったりしてしまうのだ。

逆に
「もっと稼ぐのが当たり前だ」
という信念を持つ経営者は、不思議と必要なタイミングで適切な行動を取る。
たとえば新しい取引先を開拓したり、人脈を広げたりして、自然と機会をつかんでいく。
結局は
「お金のマインド」
をどう持つかで結果が大きく変わる。

会社の未来は、経営者の信念次第だ。
自分の思考パターンを見直し、
「もっとできるはずだ」
と感じられる土壌を育てることが、会社が成長する第一歩になる。
そこがしっかり固まれば、いくらでも道は開ける。言いかえれば、信念のレベルが上がるほど、より高い収益やより充実した経営スタイルを実現できるのだ。

沼るコンフォートゾーンの罠

信念を語るうえで外せないのが
「コンフォートゾーン」
という概念だ。
コンフォートゾーンとは、ストレスや不安の少ない、居心地のいい安全地帯のことを指す。
誰しも慣れ親しんだやり方や場所から出るのは怖いものだが、コンフォートゾーンに長居すると成長の機会を逃しやすい。

たとえば、年商3000万円の経営に慣れている人は、そのレベルで安定するための行動を無意識に取りがちだ。
自分にとっては心地いい範囲なので、ここから抜け出そうとする努力が面倒になり、
「リスクを冒したくない」
「やり方を変えるのは大変だ」
と感じてしまう。結果、
「まあ、今のままでいいか」
となり、成長が止まる。

どのコンフォートゾーンを基準にしているか

一方、コンフォートゾーンが年商1億円の経営者の場合、会社が一時的に売上を落としても、あっという間に元の水準に戻すことが多い。
自分の当たり前が「1億円規模」であり、その状態でいられることが居心地の良さになっているからだ。
つまり、どのコンフォートゾーンを自分の基準にしているかで、会社の未来は大きく変わる。

「このままでも悪くない」
という思いが強いと、そこが経営者にとってのゴール地点になってしまう。
しかし、
「もっと成長できるはずだ」
という感覚が身についていれば、多少の困難があっても立ち上がり、さらに上を目指す。
重要なのは、自分がどのゾーンに心地よさを感じているかを自覚することだ。

コンフォートゾーンを広げるには、新たな挑戦に対して
「ちょっと怖いけど行ってみよう」
という姿勢が欠かせない。
挑戦が重なれば、少しずつ“当たり前”のラインが上がり、結果的にビジネスのスケールも大きくなる。これがコンフォートゾーンの罠を突破する方法だ。

経営者が陥る思考のパターン

会社を伸ばしていくためには、新しい試みをする必要がある。
だが、新たな挑戦を前にすると、人は必ず
「できない理由」
を探し始める。
これは経営者でも同じだ。
「経費が足りない」
「時間がない」
「人材がいない」
など、否定的な考えがいくつも浮かぶ。

その大きな原因は
「失敗への恐れ」
だ。
誰しも失敗して周囲からの評価を落としたくないし、会社の資金を無駄にしたくない。
だからこそ、安心安全な選択ばかりを求めてしまう。
結果として、行動を起こす前に諦めてしまうのだ。

実は、
「人が何か目標を掲げたとき、諦めるまでにチャレンジする回数は、平均で何回くらいだろうか?」
という問いに対して、多くの人は
「2~3回はやるだろう」
と思うようだ。
ところが、事実は「一回未満」である。
つまりほとんどの人が、実際にはトライすらせずに諦めているというわけだ。

経営者であっても、他の人と同じように“挑戦の前の挫折”を味わう可能性は高い。
頭の中で
「できない!」
と声が響けば、自然と失敗のイメージに引きずられ、余計に足がすくむ。
こうなると会社全体も新しいことに踏み出せず、気がつけば同じ失敗パターンを繰り返している。

だが、そもそも挑戦する前から失敗を恐れても、プラスになることはない。
最初に
「できるかもしれない」
と思えるかどうかが、ビジネスの成否を左右する。
マイナスの思い込みがこびりついていると、チャンスを目の前にしても手を出せなくなる。

信念を書き換えて収益を伸ばす

では、どうすれば「信念」をレベルアップし、お金のマインドを強化できるのか。
ポイントは、今までの思考や感情、記憶の蓄積を塗り替えていくことだ。
仏教では、これらの蓄積を「因」と呼び、そこから生まれる結果を「縁」と呼ぶ。
新しい因を積み重ねることで、未来の縁を変えるという考え方だ。

信念は、たとえるなら色のついた水が入った透明な容器のようなものだ。
そこへ
「こんなふうになりたい」
という新たな思考を一滴落としたところで、全体が一瞬で変わることはない。
だが、新しい水を注ぎ続けると、やがて古い色は薄まり、全体の色が変化していく。

たとえば、年商500万円の状態が当たり前だと感じているなら、「年商1000万円」を目指し続ける思考を毎日少しずつ加えてみる。
その際、
「どうせ無理だ」
という感情が頭に浮かんだら、そこで諦めるのではなく、
「いや、できる手段があるはずだ」
と自分に言い聞かせ、具体的な方法を考えてみるのが大切だ。

この地道な繰り返しが、経営者としての思考パターンを変えるカギになる。
小さな成功体験を積むたびに、
「自分でももっとできるんだ」
というポジティブな確信が育つ。
すると、さらに大きな目標を掲げても
「案外いけるかも」
と思えるようになる。
これが信念が書き換わるプロセスだ。

新しいビジネスモデルやサービスを試す際も同じだ。最初は誰しも不安を感じるが、
「少しでも前に進めば、その分だけ経験値が増える」
と考えてみる。
すると、一歩踏み出すハードルがぐっと下がり、結果として収益アップにつながる動きが起こせるようになる。

因縁を理解して行動を変える

仏教の因縁論によると、今の状況は過去の行動(因)がもたらした結果(縁)だとされる。
現状に不満があるなら、これまでの信念や行動を変えない限り、未来も同じような結果になるということだ。
ビジネスにおいても、この因と縁のつながりは強く当てはまる。

たとえば、
「広告費をかけたら費用対効果が見合わないのでは?」
という思い込みがあると、新しい広告戦略に踏み切れず、いつまでも認知度が上がらないままだ。
その結果(縁)として、売上が伸び悩むという現実がやってくる。
しかし、そこで一度立ち止まり、
「広告を出すことでどんな可能性が開けるか」
を真剣に考え行動すれば、新しい因が加わり、それに見合う結果がやがて形になって返ってくる。

重要なのは、現実を直接いじり回すより、根っこにある信念に目を向けることだ。
「できない」
という思い込みが染みついているなら、どんなにテクニックを学んでも成果は乏しい。
逆に
「きっとできる方法があるはずだ」
と考えれば、困難に直面しても粘り強く解決策を探し、行動に移せる。

多くの経営者は、目先の数字や競合との戦いにばかり意識が向きがちだ。
しかし、その前に自分の頭の中にあるプログラム(信念)をアップデートしないと、新たな結果を手にすることは難しい。
むしろ、普段の決断や行動の源流に目を向け、新しい因を積むことこそが、長期的な成功への近道になる。

この
「因を変える→縁が変わる」
という流れを実感できると、自分がやるべきことがシンプルに見えてくる。
たとえば、まずは
「チャレンジを恐れない」
という因を積むために、小さな取り組みを始める。
それを継続すれば、やがて望む未来に近づいていく。

お金のマインドを更新する秘訣

経営者にとって、お金のマインドはとても大切だ。
多くの人が
「一生懸命働いているのに人並みの暮らししかできない」
のは、頭の中に
「お金を得るのは難しい」
「自分はそんなに稼げる器ではない」
という情報が詰まっているからだ。
そうした信念があると、チャンスが来てもスルーしてしまう。
逆に、お金に対して前向きな思考を持つ人は、自然と正しい判断を下しやすい。

信念とコンフォートゾーンを見直し、因縁の仕組みを意識して行動すると、今まで見えていなかったアイデアや人脈がどんどん飛び込んでくる。
心理的に
「自分は稼げるはずだ」
と信じられると、お金に関する選択肢が増えるし、資金を増やす機会にも敏感になる。

経営者の信念が会社の未来を作りだす

大事なのは、最初から大きく変えようと気負わないことだ。
いきなり
「年商1億円を目指すぞ」
と宣言しても、
「できっこない!」
という思いが強ければ逆効果になる。
むしろ、今の自分より少し上のレベルをリアルにイメージし、そこに向かって着実に新しい因を積み重ねる。
これならコンフォートゾーンをじわじわ広げられる。

もし
「あれこれ考えてばかりで行動できない」
という自覚があるなら、まずは
「一度だけやってみる」
を合言葉にするのがおすすめだ。最初の一歩を踏み出す前に諦める人は想像以上に多い。
だからこそ、一歩踏み出した瞬間から、実は大きく前進できる可能性が高い。

最後に、もう一度強調したいのは、経営者の信念が会社の姿を作るということだ。
お金のマインド、コンフォートゾーン、そして因縁の考え方をうまく組み合わせれば、会社の収益が上がるだけでなく、自分の可能性を大きく感じられるようになる。
小さな会社だからこそ、信念を変えるインパクトは絶大だ。
今日から少しずつでも、あなたの信念をアップデートしていってほしい。

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