商売の基本は、見込客を集め、ニーズに合わせた商品を作り、商品の価値を伝え、それをセールスする。これが、あらゆる商売における基本の流れになる。しかし、こうした基礎的な事を理解しないでただホームページを作ればいい、SNSを使えばいい、という頓珍漢なことをやっている例が数多く見受けられる。ただインターネットが必要だからという強迫観念に流されるかのように取り組む経営者が後を絶たない。(内田游雲)
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内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めてスモールビジネス経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「運の研究-洩天機-」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)
商売でどうネットを使うか
新型コロナパンデミックの経済への後遺症で、廃業を余儀なくされるところが増えている。こうなると、誰もが考えるのが、ネットを通じての販売だ。しかし、闇雲にインターネットを使って売ろうとしても、そう簡単ではない。
まず商売の基本とは、見込客を集め、ニーズに合わせた商品を作り、商品の価値を伝え、それをセールスする。これが、あらゆる商売の基本の流れになる。では、この流れの中で、ネットをどう使っていったらいいかというと、まずは、見込客を集めるところ、そして、価値を伝えるところ、さらに、セールスの場面で使うことになる。
「それって全部じゃん・・・」
そんな声が聞こえてくるが、ここで勘違いしないで欲しいのが、ビジネスモデルによって使う場所が違ってくるということだ。
例えば、普通の飲食店では、ネットは集客と価値を伝える部分にしか使えない。最後は対面なのだから、当然そうなる。これを全てに使えば、インターネットで完結する通販ビジネスということになる。
ターゲットによって変わる
さらに言えば、そもそも、見込客を集める為に全国に発信する意味はあるのかという事も挙げられる。
これは、対象のお客がどんな人かで変わる。旅館などの全国から人が来るところと、ラーメン屋のように、近場だけからしかお客さんが来ないのであれば、当然やることが違ってくる。
このように、ネットを利用するといっても、それぞれの商売によって、どのように使っていくかが変わることになるのだ。
こうした、基礎的な事を理解しないでただホームページを作ればいい、SNSを使えばいい、という頓珍漢なことをやっている例が数多く見受けられる。スモールビジネスでは、こうしたことをしっかりと勉強をして、何をどうしたらいいかを明確に理解しておくことだ。
至極あたりまえのことなのだが、意外にここを理解せずに、ただインターネットが必要だからという強迫観念に流されるかのように取り組む経営者が後を絶たないのである。
インターネットというツール
インターネットは、あくまでもツールである。それをどのように利用していくかは、経営者が決めていくものだ。今の、ビジネスモデルの中で、ネットをどのように利用していくかを考え、また、どのようにビジネスモデルを変えることでネットの威力を最大化できるかを考えることが経営者の仕事なのだ。
ホームページをただ作れば儲かる。
SNSをやれば儲かる
そんなことは、絶対にありえない。
それどころか、インターネットを商売に使おうと思ったら、想像以上の時間と労力を消費することになる。この時間と労力は、思った以上にあなたの経営や生活を圧迫していクことになるだろう。
安易に考えると、結局、途中であきらめて残骸だけが残る無残な状態になってしまう。大事な事は、インターネットをどう使うかであり、また、敢えて一部に特化してそれ以外は使わないという選択である。
スモールビジネスでは、特に注意しなければならない点となる。