性欲は生物としての基本的な衝動であるから、遺伝子の奥深くに刻まれていて誰も逆らうことができない。男性は、より多くの自分の遺伝子を残したいという本能的衝動を持ち、女性は、より優秀な遺伝子を残したいという本能的衝動を持っている。それだけではなく人間の場合、純粋な種族保存ではなく、他の衝動の代替としての意味合いも強くなっている。(内田游雲)
profile:内田游雲(うちだ ゆううん)
ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。中小企業や個人事業等の小さな会社のコンサルティングを中心に行う。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的コンサルティングには定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めて経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「洩天機-運の研究」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)
男女間(最近では男女間に限らないが)に見られる本能的衝動とは、
「種を残したい」
という最も根源的な衝動である。
つまり性欲だ。
これが転じて「モテたい」という欲求に変わり、それが反転して「モテないことへの恐れ」を引き起こしていく。
この衝動は、経営を考える上で、最重要だと考えていい。性欲に基づく衝動は、何ものにも変えられないほどの力が有るからだ。
これを意識するだけで、面白いように商品は売れていく
遺伝子を残したいという本能的衝動
人間も動物であるから、男性は、より多くの自分の遺伝子を残したいという本能的衝動を持ち、女性は、より優秀な遺伝子を残したいという本能的衝動を持っている。
これは、もう生物としての基本的な衝動であるから、遺伝子の奥深くに刻まれているので、誰も逆らうことができない。
これが男女の違いでもある。
女性は相手の男性が優れたオスだと感じた瞬間に
「あなたの赤ちゃんが欲しい」
こういった衝動に突き動かされる。
しかし、他のもっと優秀なオスが出現したらそちらに傾くのだ。
そして、性欲は生物としての基本的な衝動であるから、遺伝子の奥深くに刻まれていて誰も逆らうことができない。
どのような理性的な人間であっても、その衝動を抑え込むのに苦労をする。そもそも、抑え込むことができるくらいなら、人類は既に滅亡していたはずである。
だから、基本的に、男は浮気をするし、女性は、優秀なオスがいたら心変わりをする。
浮気されたからと言って、相手を責めるのは実はかなりお門違いだということである。
人は性欲という衝動から逃れられない
人は、誰であっても性欲という衝動から逃れられないのだが、そう考えれば、浮気をしない相手というのは、非常に珍しく立派であるということだ。
ただ、ここでちょっと触れておかなければならないのは、人間の性欲は動物のそれとは、かなり違うということである。
動物の場合、それは純粋に種族保存の本能だが、人間の場合には、そう単純ではない。
まず、動物と違って人間には、発情期というものがない。
しいて言えば一年中発情期である。
1年365日発情している。
その理由は何かというと、人間の性行為は、種の保存の目的というよりは、そこに、価値の交換が見られるからだ。
これが、人間が社会性の動物であるといわれる所以だ。
たとえば、デブでチビでハゲの私のようなジジイが、若い綺麗な女の子と関係を持つこともある。
それは、たいていの場合、他の価値と肉体との交換となる。
そこに、金が介在したりもする。
つまり、金をたくさん持っている。
癒してくれる。
自分の居場所を作ってくれる。
こういった価値との交換で性行為が成立するのだ。
時には、リアルにお金のやり取りがあったりもする。
世界で最も古くからある職業は娼婦だといわれる。
性行為には、お金だけではなく、愛というよくわからないものが絡むこともある。
愛の正体については、また改めて書いていくが、その根底には、孤独を癒したいという衝動が含まれていたりするのだ。
人間の性欲は種族保存の為だけではない
つまり人間の場合、もはや純粋な種族保存ではなく、他の本能的衝動の代替としての意味合いの方がむしろ強くなっているのだ。
これが、男性と女性の関係を複雑化させていく。
男と女の感情のもつれは、本能によって突き動かされる幾つもの衝動の絡み合いによって起こされていく。
それが、命を捨てるほどの恋愛感情を盛り上げることにもなるし、相手を破滅させるほどの憎悪を引き起こすものにもなる。
恋愛が、人生に大きな影響を与えるのは、恋愛が素晴らしいということだけではなく、その複雑怪奇な本能的衝動のもつれによる暗黒面によるものだ。
小説や映画、ドラマなどが数多生まれるのは、国や時代を超えて、すべての人間に共通するものであるからだ。これが、様々な文化を生み出す原動力となっている。
恋愛から生まれる嫉妬、独占欲、支配欲といったものは、その根底に性欲が有るが故に激烈な衝動となる。こうした衝動は、理性の力を軽々と超えてしまい、多くの刃傷沙汰といった事件をもたらしてしまう。
だからこそ、恋愛を上手くコントロールできれば、人生が限りなく豊かになっていくのである。