小さな会社はかっこ悪く稼げ

倒産する理由は、基本的には、資金ショートだけであり、その原因のほとんが、固定費が大きくなりすぎて売上が減った時に経費がまかないきれず窮地に立たされるからである。会社の目的の一つは、まず、継続させることである。その為には、今のような変動の激しい時代には、無理して拡大しないという戦略をあえて選択するべきなのだ。(内田游雲)

profile:
内田游雲(うちだ ゆううん)

ビジネスコンサルタント、経営思想家、占術家。静岡県静岡市に生まれる。中小企業経営者に向けてのコンサルティングやコーチングを専門に行っている。30年以上の会社経営と占術研究による経験に裏打ちされた実践的指導には定評がある。本サイトのテーマ「気の経営」とは、この世界の法則や社会の仕組みを理解し、時流を見極めてスモールビジネス経営を考えることである。他にも運をテーマにしたブログ「運の研究-洩天機-」を運営している。座右の銘は 、「木鶏」「千思万考」。世界の動きや変化を先取りする情報を提供する【気の経営(メルマガ編)】も発行中(無料)

旅行会社の倒産で見えるもの

2017年3月27日に格安旅行会社の「てるみくらぶ」が倒産したのを覚えているだろうか?

だいぶ時間が立ってしまったので、覚えている人も少なくなってしまったかも知れない。当時は金を支払ったのに、旅行に行けない被害者が多く出て、新聞等でも大きく取り上げられた。

「てるみくらぶ」は昔から、格安ツアーを比較サイトなどで検索すると上位に出て来た格安旅行で有名な会社だった。倒産時の負債総額は、なんと約151億円。それにしても、151億って、よくそんなに負債を出してしまったものだ。
なぜなら旅行会社というは、基本的に損をしないビジネスモデルだからだ。

なぜかというと、まず先に仕入れる必要がなく、基本的には、注文を受けてから手配すればいいビジネスモデルだからである。本来かかる費用は、オフィスの賃貸費と人件費だけ。それさえクリアすれば経営として充分に成り立つはずなのだ。

そんな、低コストのビジネスモデルのはずなのに、負債151億円というのは、なぜそうなったしまったのだろうか?

拡大を選んだ結果倒産に至る

当時の記者会見などでは、倒産理由の中で広告費が膨らんだと説明していた。もちろん、広告費も必要だが、これは今の時代はテストしながらコントロール可能なものなので、大きな負債にはつながりにくいものだ。

コントロールせずにやったとしても、累積債務がここまで膨れるはずもない。

結局のところ、会社を大きくしすぎて人件費などの固定費が大きくなり、資金繰りに詰まったように見える。おそらく、会社を始めた当時は、ネット中心の営業で、人件費等の固定費は極限まで低かったはずだ。

それを、会社を大きくしたいために、TVドラマのスポンサーになったり、新聞の広告を打ったりと見ばえのいい営業をし、さらに、社員を増やして大きな会社にしようとした結果なのだと想像できる。

虚栄心が拡大の道を歩ませる

こうした背景には、経営者の虚栄心が大きく関与する。

他人からよく見られたい。
すごい人だと思われたい。

こうした気持ちから、会社を大きくしたいという欲求に突き動かされてしまうのだ。しかし、結局のところ、会社というのは、大きくすればするほど倒産するリスクは、むしろ増えていく。

会社が倒産する理由は、基本的には、資金ショートだけであり、その原因のほとんが、固定費が大きくなりすぎて売上が減った時に経費がまかないきれず窮地に立たされるからである。これは、企業の大小にかかわらず同じである。

一時的に借り入れなどをして、たとえ、窮地をしのいだとしても、その後は、資金繰りに追われ、最終的にはやはり倒産してしまう。この時には、負債はさらに膨れ上がってしまうことになる。だから、会社や店を大きくすることは、くれぐれも気を付ける必要があるのだ。

会社はあえて拡大しない

私が提唱するスモールビジネス経営は、中小企業や個人事業者のような小さな会社の為の経営モデルである。ここでは、あえて拡大をしないという戦略を中心に置く。
勝ちに行くのではなく、負けない戦略をとるのだだ。
そうすれば、時間が味方をしてくれる。

今の時代は経営環境が劇的に変化する。それも、自分の責任ではなく、新型コロナのようなパンデミックやウクライナとロシアとの戦争、さらには巨大地震などの自然災害といった、抵抗のしようのない激変である。

こうした激変に対応するためには、とにかく身軽にしていつでも変化できるようにしておくということが最も重要になる。それはつまり、倒産しにくい会社を作るということを経営の中心におくということでもあるのだ。

【参考記事】:

内田游雲の発行する【気の経営-メルマガ編-】(無料)はこちらから

関連記事

  1. 無理にイノベーションを起こす必要はない

    無理にイノベーションを起こす必要はない

  2. 勉強熱心な経営者ほどニーズとウォンツの関係を間違う

    勉強熱心な経営者ほどニーズとウォンツの関係を間違う

  3. 大事なお客は「依怙贔屓(えこひいき)」しなければならない

    大事にするべきお客とは誰のことなのか

  4. 良い商品も需要が無ければ売れない

    商品が売れるには需要が必要になる

  5. 小さな会社は小さいことを武器にする

  6. お客の固定客化をめざす

error: Content is protected !!